気持ちに名前をつけたところで
心の余白を埋める何か
ふと出会ってしまった
この気持ちに
名前を付けることが怖い
恐ろしいとすら感じる
この揺らぎをいつか
心地いいと感じられるほど
わたしはどうも強くもないし
軽やかではないのだから
春の陽気に騙されて
浮ついている自分を
俯瞰で見て嘲笑うのが
精一杯の強がり
ただ素直に打ち明けたところで
報われないすべてのことに
吐き気がする
そんな生き方しか出来ない
浅はかな自分と
世間なんて無関係なチグハグを
切り裂いてやりたい衝動を抱えて
ベッドに倒れ込む毎日から逃れたい
何を求めているのかを
探したってどうしようもない
気持ちに名前を与えたところで
その先には何もない
ただここにあるのは
二月にふさわしくない
春めいた陽気と
心に沈んだ
いつからあるのかも
もうわからないような
どんよりとした
虚しさの塊
そうね、この先ちゃんと春が来て
日和が優しく続いたとして
それはわたしの心を
溶かすに至らないということを
痛いほどに理解している冷静さと
凛とした悲しさを
どうか
誰でもいい
なんでもいい
癒しなんていらない
ただどうか一瞬でも
葬り去ってほしい
傷付かないようになど
生きてはいけないのだから
傷付いてもいつか
心を裸にするしか
生きてはいけないのだから
刹那的なわたしがいつか
地獄に落ちても
死にながら生きるのより
いいやなんて
外の陽気に似合わない
わたしの煤を吐き出す
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