ロンドンの広告代理店で働いた1年間 その1 広告出稿
以前、イギリス生活1年間振り返りの記事を書いた。その後自分がどんな暮らしをしていたかも書いてみようと思う。ロンドン拠点の広告代理店に正社員として雇ってもらい、本格的に色々な案件に関わるようになったYMS後半は、YMS前半とは違って仕事が生活の中心にあった1年間だった。具体的にどんな仕事をしていたのかを1月から順に振り返ってみる。
1月 英航空会社の機内誌、ウェブページに広告出稿
10月に日本の国境が再開し、海外からの観光客を呼び戻すための企画提案依頼をとある自治体から頂いた。色々提案した結果、広告を見た人が実際に飛行機を予約する行動に結びつきやすい媒体ということで、英大手航空会社の機内誌、ウェブページに広告を掲載することに決定した。
具体的には、機内誌では1P使いビジュアルを掲示(いわゆる純広告)、ウェブページにはその地域でできる文化体験をテーマに記事を2本掲載(いわゆる記事広告)するという内容。記事の構成を考えるのは割と楽しかった。また、デザイナー/ライター共に依頼先は決まっていたため、企画が通った後に自分がやることは使用する画像やロゴの許可取り、記事内容の事実確認などのみで、そんなに大変な案件ではないと思っていたが思わぬところに曲者がいた。
掲載先である航空会社のメディア担当者である。
この担当者が記事掲載の手順、仕様を伝えてくれる役割なのだが、まずメールを返してくれない。催促してやっと返ってきても、例えば箇条書きで5つ質問しているのに2つしか回答してくれない。以前は出来ると言っていたことがやっぱりできなくなったとか舐めた対応をしてくる。大手でネームバリューが強いから、こんな舐めた対応でも仕事の依頼は来るし給料も高いんだろうなと思うとなんか悔しくなった。
そんな感じで少しゴタゴタしたが無事に記事掲載され、目標のPV数やエンゲージメント率も達成した。ただこんな数字いくらでも取り繕えるので、実際にどれだけの人がこの記事を読んだのかは分からない。また日本の国境が開いた直後かつ円安で、黙っていても観光客は増える時期だ。貴重な税金を使ったこの施策にどれほどの効果があったのか不明だが、少なくとも弊社やデザイナー、ライター、広告掲載先の航空会社は儲かり、おかげで僕も給料を得られている。
僕は今後もよく効果の分からない施策を請け負って、そのおこぼれに預かって生活していくんだろうなと感じた。