ただの猫
私机の上に、小さな小さな招き猫がいます。
小判は持っていないから、ただの猫に見えるけれど、一応前足を顔の横まで上げているので、招き猫。のはず。MONO消しゴムより背が低いほどの小さな猫。
よく見る小判を抱いた姿は怖くて苦手だったので、招き猫自体が苦手だと思っていました。小判を抱いた招き猫が怖いなんて、金運に見放されるのも当たり前と言われそうです。けれと、凄く姿が怖いのです。
なので、招き猫を見ようとも、集めようとも思っていませんでした。
それが可愛らしく小さな姿を見つけて、つい買ってしまいました。
郷土玩具をもとにした新しいお人形を作っている作家さんのものらしく、小さな土人形。白と黒があって、どちらもちょっとびっくりしたようなぽかんとした顔でこっちを見ている。怖くない、かわいい猫。招き猫らしさはあまりなくて、にゃーんと上げた前足だけがかすかな証拠。
もう一匹、怖くない招き猫を以前から少しずつ集めているお人形のお店で見つけたので買ったものがあります。御所人形のお店のもの。
御所人形は大きいものは飾りきれないので、小さいものの中から選んで買っています。ミニ御所人形。それの、猫。犬筥のミニチュアを探していたら、猫が見つかった。そういった経緯で出会った猫の御所人形。
これも、小判は抱いておらず、ぎょろりとした目ではなくて、静かな表情。マジカルな猫らしさは、顔に施された模様の様なヒゲや毛並みから来るもの。ちょっと稲荷の狐に似ています。
手のひらに乗る大きさで、棚の上で静かに座っています。
どちらも、小判はなく、大吉とも招福とも書いておらず、前足を静かに上げているだけなので、もしかしたら、普通の猫かも。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートいただけたなら とってもうれしい