両腕に抱えきれないほどの
両腕にいっぱいに野菜をかかえて微笑んでいる農夫がいたら、
その目には嬉しそうに眺めている家族や仲間が写っているだろう。
両腕にいっぱいに書類をかかえて切なそうにしている会社員がいたら、
その目には厳しそうに指示を飛ばす非情な上司が写っているだろう。
両腕にいっぱいにおもちゃをかかえてはしゃいでいる子供がいたら、
その目には楽しそうに駆け寄ってくる友達が写っているだろう。
両腕にいっぱいに花束をかかえて緊張している少年がいたら、
その目には感激して微笑んでいる美少女が写っているだろう。
私たちの両腕は広げてみると実は結構大きく、
思っている以上にたくさんのものをかかえることができる。
しかし、
それでもかかえきれないときもあって、
もっと力があればとか、
もっと腕が長ければと思うこともある。
あなたの体をこの両腕で抱きしめたなら、
あなたの背中をつつむこともできるし、
あなたのお尻までも掌はしっかりと届くけれど、
まだまだ、
もっとしっかり抱きたいと思う。
もっとすべてを包み込んでしまいたいと思う。
あなたの体をこの両腕に抱きしめたなら、
私のあなたへの想いが、
この両腕にかかえきれないほどたくさんあることに気がつき、
あなたの私への想いも、
この両腕だけでは受け止めるのが足りないことも知る。
だからその後、
互いの裸の体全体で包み合う行為を始めるのだろう。
あなたの体をこの両腕でかかえきれないほどに抱いている時、
私の目には、眩しく妖しく艶かしいあなたしか写っていない。
そして、
あなたと一緒なら、
両腕いっぱいに夢があふれ、
すぐにかかえきれないほどになる。
夢はかかえきれないほどあるほうがいい。
そして、
ひとつずつ叶えて行けばよい。
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