見出し画像

「あなたのための短歌集」が今の私に響きすぎた

なんとなく最近ずっとしんどくて、そんな日々をもう少し頑張らせてくれるような本を探していた。
「頑張らなくていい」「もう少し休もう」という言葉を本には求めてなくて、ただ寄り添ってくれるような、そんな本。
単純に、多くの活字を読めるほど元気じゃない。

そんな私の目にとまったのがこの本だった。
以前から短歌には興味があったので、手に取ってパラパラとページをめくってみた。

涙がじわじわと滲んできて、読むのをやめた。
続きは家で読むことにした。


「あなたのための短歌集」は歌人・木下龍也さんが、依頼者から届くお題をもとに短歌を作り、封書で届けるという「あなたのための短歌1首」のうち100首を選んで収録した書籍。
依頼者は自身の名前の一部をお題にしたり、「こんな私の背中を押してください」というような"想い"をお題としたりと、様々。
中には個人的な悩みを打ち明けた上で、それに対する短歌を作ってほしいという依頼もあった。
でも不思議と、私のことではないはずなのに、私のために作ってくれた短歌のような気がしてくる。


ぜひ本屋さんで手に取って、自分で読んでほしい。
だけど、この1首だけ紹介させてほしい。


私の名前にある「鳥」に関する言葉を入れて、短歌をお願いします。私は来年の春から、ずっとなりたかった中学校の国語の教員になります。今は、どこで働いてどんな子たちに会えるのかとドキドキとワクワクが半分半分で過ごしています。

一部抜粋

背を向けて板書しながらあなたにも翼があると教える仕事

数年前、教壇に立っていた私。
心を壊してもう辞めてしまったけれど、それでも教えることは好きだった。

私は、子どもたちに何を教えられたかな。
途中で休職してしまって、半分しか一緒に過ごせていないけれど。

ああしなさい、こうしなさいと言えるタイプじゃない、頼りない担任だった。
けれど、私という大人を見て何かを学んでくれたらそれでいいんだ。
「こんな大人もいるんだな」
そう思ってほしくて教師になったのだから。


ぜひ、読んでほしい。
必ず、今の自分のための短歌がある。

いいなと思ったら応援しよう!