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日記 思い出 その欠片たち
お料理や食べもの、大好きな珈琲。
寝息の満ちる夜の底 たどり着いても届かない 昨日の私を言葉に仕舞う ねいきのみちるよるのそこ たどりついてもとどかない きのうのわたしをことばにしまう
君が夏なら、私は雪になる。
おやすみ、を夜に置く さようなら、のように おはよう、を朝に置く はじめまして、のように
細やかに、丁寧に、休日が終わっていく。ご飯を炊いて夫が買ってきたお惣菜を半分こして、慎ましく静かに終わっていく。猫たちが温かい。/ 夢を追うひとは、少しでも楽しくあって欲しい。生きることに精一杯のひとは、少しでも楽しくあって欲しい。その積み重ねの中、私もそうあるよう過ごしていくから。/ 寂しいねって娘っこは会いに行った。愛は強いね距離も超えてくね。あんな時があったね懐かしいねと夫に言ったら寂しそうだった。猫たちがいるじゃない、てか私がいるじゃない(笑)/ 毎日アイスを食
年々春が短くなっていくと感じるのは私だけだろうか。若葉の鮮やかな時も確か春と呼んでいたはずなのにその陽があまりに眩しくて、まだ春だと呼ぶことに臆してしまう。/ 17年勤めてくれた方が足の手術をすることになり辞められた。御年70歳。辛い時何度も抱きしめていただいた。手を握っていただいた。貴女を娘のように思っているよと言っていただいた。心の温かい方だった。/ 焦るというのは、今、足元にある小さな幸せを取り零している気がする。何に向かって焦るのだろう。今日の始まりと終わりの中で
久しぶりに会った孫娘は、うんとママ(娘)に甘えっこになっていた。好奇心旺盛なところはパパ(婿)に似ているかもしれない。大きくなった。そしてその分私も年を重ねた。見送った後、もう少し近くならなぁと叶わないことを思う。一緒に時を過ごしていけたらなぁと思う。/ 昔は山だったこの辺り。我が家の前にも小さな森が残る。不思議な鳥の声が。 「いい声の鳥ね。なんて名前の鳥だろう」 「姿は見えないね。なんて名前の鳥だろう」 おうむ返しのように夫とそんな会話をする。 小さな余白を互いに贈り
ひとりぼち加湿器の音さわさわと雨にたとえて眠りにつく夜
吸う息の冷たさ痛さ沁みながら冬を一番身近に置く
冬の陽射しは淡いなぁ。寒さに溶けているみたい。/ 今の自分で出来ることを考えている。 今の自分では出来ないことはあっても。 何かできることはある。 考えたらやってみる。 結果、出来ても出来なくても、やった自分を褒めてあげる。/ 忙しい連休などは、誰とも話さない日があって、誰とも顔を合わさない日があって、そういう日は聞こえてくる音や声と一日過ごす。自分の心とはなるべく話さない、そういう日は。/ 今日は雨と加湿器と、とっぷり浸かってた一日。/ 亡き母も私も孫娘も誕生
雪が降ったのだね 君の住む街 そうか 泣きそうな曇天は堪えきれずに その空で涙を形にして 傷つける辛さも 傷つけられる切なさも 閉じ込めようとしたのだね 選びとった余韻は 続く意味を含んで 君の 私の 空の 片隅で ひとひらの雪になったのだね
痩せた指回るリングに陽が霞む嘆くまいに憐れむまいに
障子から射す冬の陽をぼんやり見ている。パズルのようだ。空が見えないことにまだ慣れない。風が見えないことにも。/ 雨だろうか、それとも加湿器の音か。からからと落葉が風に舞っている音か。店から娘の笑い声ころころと。知りたい音が私の耳に届いてくる。音は沢山溢れているけれど。/ 荷をほどかない。そう決めた時、体の良い言葉を綴ったけれど、あの時、私は私の中に毒を放ったのだろう。/ この年齢を生きるのは初めてなの。いつも幾つになってもそうなの。/ 気づけたことを幸せだと思う。その
10月中旬からまた寝込んでしまった。どうやら悪の根は深く深く私の中にあるようだ。/ 春が過ぎ、夏が過ぎ、秋も通り過ぎて冬さえもきっと。自分を諦めることをせず、人生最後の間際まで成長を願い、間違う怖さより気づくことを喜びとする。人生は過去から始まるのではなく、今日この一歩から始まるのだ。/ 珈琲の香りも、炊きたてのご飯の匂いも忘れてしまったけれど。13段、階段の数。左側の壁の小さな傷に触れれば踏み出しても大丈夫。その愛おしさなど今まで気づくこともなくて。/ ああ、良かった
今夜は近所で花火大会があるようだ。そうか、もう夏なんだ。ポンコツの体よ、きっとあの日常に戻ろう。不服も言うまい。あの日常がどれだけ幸せか、この家族の存在がどれだけ幸せか、ポンコツの体よ、改めて分かっただろう。分かるというのは頭ででなく言葉ででもない、ただストンと心に落ちてくる。
暑いのかも寒いのかもよく分からない。いつも身体が氷水に浸かっているよう。季節も時間も平等に降り注いでいるだろうに、そのどちらも知らない間にというのはなんてつまらないことだろう。/ 数えてみた、45日めだ。孫娘が来て、生まれて初めてのそれはそれは楽しい時間を過ごして、そして、臥せった。傍らにはまだ手編みのカーディガンが掛かっている。過ぎ去った5月。ほとんどその姿を知らない。きっと清々しい緑の風が吹き抜けていたに違いない。木々は毎日柔らかな黄緑の葉を伸ばしていたに違いない。45