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ももこの世界 ①幼稚園を決める

ももこはももこの世界を守って生きてきた。嫌なものは断固拒否。やってみたいことは、下手でも遅くてもとにかく頑張る。

ももこはいつも家で遊んでいた。一人っ子なので誰かと一緒に遊ぶ経験が必要だと思い、公園に連れて行っても結局は一人で遊んでいた。

仲良くなった近所の女の子は、いつもももこを呼んで一緒に遊ぼうとするのに、ももこは知らんぷりして一人で遊んでいる。

そんな調子なので、人と交わる経験がなさすぎるももこに不安を抱いた私は、近所の友人に誘われるままにリトミックの体験に出かけた。音楽に合わせて動くのは好きかな?と思ったら、嫌がって帰ろうとする。

その次に誘われたのは体操教室。教室に入ろうとするだけで嫌がる。挙句の果てに大泣きして、体験に行っただけなのに、「このようなお子さんはお預かりできません」と冷たく突き放された。

色々と試した結果、どれもももこの気に入るものはなかった。好きなのは家で遊ぶこと。絵本を読んでもらう事。大きな紙に絵を描くこと。

ももこは集団が嫌いだった。それに気づいたのは、幼稚園探しを始めた時だった。いくつか幼稚園の下見に行った時、体操やダンスなど皆同じことをしているのを見て「この幼稚園きらい」と言った時だった。

「どうしてこの幼稚園が嫌なの?」と聞く私に、「体操やダンスしたくない」と答えるももこ。実は後で分かった事だが、幼稚園児が先生の号令の元でピシッと体操をする様子を見て、先生が怖いし自分にはできないと思ったらしい。

幼稚園探しは難航した。別に3年保育でなくてもいいし、義務教育ではないから幼稚園でなくても良いとも思い始めたある日、モンテッソーリ教育の幼稚園に出会った。

モンテッソーリが何なのかも知らない私たちは、幼稚園の玄関前にあったパンフレットを見て、見学を申し込んだ。果たしてももこは気に入るだろうか。

見学の日、少しの時間だが見るだけでなく子どもにも体験させてくれた。年中や年長のお兄さん・お姉さんがやっている「お仕事」を見て、自分もやりたいと言い出したももこ。近くにいたお兄さんが丁寧にももこにやり方を教えてくれる。夢中になるももこ。そして、とてもキラキラした目をしているではないか!

その時ももこは2歳半。話を聞くと、そこの幼稚園は2歳半から通園できるという。果たしてももこはどんなふうに思ったのだろう。帰宅してから聞いてみると、楽しかったから行きたいという。まだ完全にオムツも取れていないのに大丈夫だろうか、と不安がよぎる。

とりあえず入園を申込み、面接を受ける事になった。まだまだ赤ちゃんの部分が多いももこが、いきなり幼稚園へ?面接で不安を告げると、2歳半のクラスは通常のクラスよりも園にいる時間は短く、2時間程度から始めて様子を見ていき、決して無理はさせないという説明を受けて、とても安心した。

初めてももこが気に入った幼稚園なので、行きたいという気持ちがある時に行かせようと決めた。

私はモンテッソーリ教育について何も知らなかったので、ももこの入園を決めてからモンテッソーリ教育の本を数冊買って毎晩読み込んだ。入園してから知ったのだけれど、モンテッソーリ教育は小学校受験を考えているご家庭に人気があるようで、とても教育熱心なお母さま方が多かった。たまたまももこが気に入ったのがモンテッソーリ教育の幼稚園だっただけで、受験をしないという我が家を不思議そうな顔で見られるなど、そこでは結構な変わり種だったのだろう。

幼稚園の選び方がこんな感じだったので、この後もももこは何事も自分で選んで進むことになる。好き嫌いがはっきりしている子だし、自分で考えて決める子どもになってほしかった。

🌸モンテッソーリ教育を受けたももこはどう成長するか?次回をお楽しみに。

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