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イタリアデザイン史を振り返る 1

佐藤和子の『「時に生きるイタリアデザイン』の背景について以下のように書いたが、デザインの読書会の課題図書にしたので、気になるところにメモを残しておこう。今回の対象は「序」「第1章 1990年代。モダンクラシックの嵐」「第2章 1930年代のイタリアデザイン」「第3章 敗戦からデザイン黄金期へ」のおよそ100ページ。

方程式のないイタリアデザイン

まず、次の文章だ。日本とイタリアのデザインアプローチに言及している。

(前略)そしてイタリアのデザインには方程式のようなものがないからである。方程式があってコンセプトのない日本と、コンセプトがあって方程式のないイタリアとでは、デザインのアプローチが180度も違ってくるようだ。

14ページ

デザイン研究者のアンドレア・ブランジの”Ritratti e autoritratti di design"における指摘が、この「方程式がない」の部分の説明にもなると思う。

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