FUJIFILMのグレインエフェクトの比較と銀塩粒子
だいぶ薄着では肌寒くなってきて何となく心寂しくなってきた。
朝晩はだいぶ冷え込み、国内の山岳地域や北海道・東北地方では雪が降り始めた中、お読み頂いているあなたは体調を崩されていないでしょうか。
今回は数あるカメラメーカーの中でフィルムにかけては右に出る者は居ない!と言わんばかりにフィルムテイストを盛り込んでいるFUJIFILMのカメラにある、とある機能についてのお話。
『グレインエフェクト』と聞いてピンとくるだろうか。
知ってるぜ〜当たり前よ。と思ったあなたはきっとFUJIFILMのカメラを使った事があるか、よほどのマニアでしょう。
僕は今までNikonばかり使ってきたからこの機能を知らなかった。
ふと気づいた理由は、フィルムシミュレーションのPROVIA(プロビア)を使っていた時。
ピント確認で画像を拡大している際。
ひょんな事に気がついた。
「あれ?リバーサルフィルムのプロビアでも拡大すると銀塩粒子っぽいザラザラした感じになってるな」と。
何度か現物を使ったことある僕は、ツヤっとしてるリバーサルフィルムにこんな粒子感あるの変だな…。
というかFUJIFILMのこの機能を盛り込んだ担当者は本物を使ったことないのか?
なんて無粋なことを考えてしまった。
本題に入る。
調べた結果、この設定は『あえて』であった。
メニューの中にあるグレインエフェクトの設定で調整する事ができる。
気になる機能なので掘り下げて調べ、自分のX-T50で検証した。
グレインエフェクトには「強度」と「粒度」の二つの軸で設定ができ、それぞれ三段階(強/弱/OFF)と二段階(大/小)で設定できるので、組み合わせとしては五通りの設定が可能となっている。
※多分OFF選択時は大小の違いはないはず。
連続して画像を貼り付けるので、気になる方は是非画像をタップ(クリック)して横流ししながら比較して欲しい。
以上の四枚はどれも引きで撮って後からトリミングで拡大したもの。
手前の木材と背景の境界あたりを注視すると違いが分かりやすいと思う。
もっと分かりやすく拡大して比較した方が良いのだけれど、いかんせん何の写真?ってなる気がしたので操作はお読みになってる方(未来の僕含む)に任せる事にしたい。
僕は写真にとてつもなく拘りがある訳ではないし、今回も違和感があったから自分で調べて選択肢を広げようと思っただけだったが、比較してみると結構違いがあるのに驚いた。
特に粒子感を出したい時は「強+大」、常用は「弱+小」、綺麗なツルッとした写真を求める時は「OFF」といった三パターンを覚えておけば良いと思う。
ノスタルジックな雰囲気や、シネマ風を常用する方は「弱+大」が使っていて心地よいのではないかなと感じた。
僕としては基準を増やしたくないし、大体の物事は『松竹梅』で決めようと思っているから三パターンが丁度いい。
室内で検証したから外でも使ってみて状況によって合わせられればベストではあるんだけれど。
ただし、少し残念な気がする所としてはフィルムシミュレーション単位で設定が保持されず、どのシミュレーションを使用していてもこの設定は共通であるという事。
フィルム単位で設定が保存されるなら一層シーンに合わせた選択がプリセットされた状態でサッと撮れるのになぁと感じたが、ダイヤルだけではなく内部で設定を変更できる為、共存することが難しいのだろうなと考えた。
この銀塩粒子感にも魅力を感じていたので、ここをコントロール出来るのは流石。と唸るばかり。
もし良かったらグレインエフェクト以外の全体的なインプレも書いたので併せて読んでくださいまし。
ひねくれた視点から見れば「それっぽくノイズを入れる処理なだけ」と思うかもしれないが、このノイズは写真に焼くと如実に現れる。
おそらく玄人に本物のネガフィルム写真と、このグレインエフェクト写真を並べて見せても写真として判断するには難しいと思う。
メーカーの違いでノイズに対する考え方まで丸っと違うのは新たな発見で面白いと感じた。
(使いこなせるかは別として)とても良い機能に巡り会ったので共有したいと思い熱く語ったが、今後の写真に少しでも活かせられるよう、腕を上げなくては。
今回はこの辺で。
季節の変わり目なのでお身体にはお気をつけて。
それでは。