確定申告が終わり、自分の2020年を振り返る
私が、自分の事業をシードプラスという名称で個人事業主として開業してから、初めて通期(1-12月)となる2020年分の確定申告を終えました。この大切な創業期を、コロナ禍のもと過ごしたわけですが、自分の人生の中で本当に得難い経験をした、考えさせられる1年になりました。
2020年中にも、その都度活動を振り返りながらブログを書いても良かったのです。むしろ、書きたかったのですが「何か製品をを生み出したい」という願望のほうが強く、1年経過してようやく自分のしていることを経理資料を整理しながら振り返ることができました。
2020年を四半期ごとに振り替えると、次のようになります。
1-3月
独立して、社会の中での居場所をつくるために試行錯誤していた時期。初めて作ったIoTデバイスの試作品を、ペット関連の展示会に出展しようと準備していたら、コロナ禍のために中止に。準備にかかった費用が無駄になる。しかし、そのおかげで時間が出来、SORACOMのIoTセミナーに出席できた。また、のちに共同で「MAKER FAIR TOKYO 2020」に参加するまつLABさんとの交流もこの時期に始まる。
4-6月
金融機関に行く以外はほとんど外出もしにくくなった時期(お客様は訪問制限やテレワーク)。誰かに会って、スタバでの打ち合わせもしなくなった。セミナーも展示会も中止が相次いだ。しかし、そのおかげで製品開発や勉強に費やすことができる時間が増え、製品開発が進んだ。特に、IoTに関しては自分で最低限のことはできるようになった。また、在宅ワークになったエンジニア仲間が手伝ってくれることになり、難所を超えることができた。現在販売しているに二酸化炭素濃度(換算値)を可視化するデバイス「Emvino(エンビーノ)」は、このころに自分が原型機を作った。エンジニアたちはほとんど原型が残らないぐらい作りこんでくれ、いまのスタイルになっていった。接待交際費や交通費などがこの時期は極端に少なく、逆に開発のための仕入れ関係が増えた。
7-9月
ようやく外出もできるようになり、コロナも転換期を迎える。Emvino(エンビーノ)の原型機を10月の「MAKER FAIR TOKYO 2020」に出展しようと申し込んだが選考に漏れた。でも、自分にとって悪かったことはこれぐらい。あるZOOMミーティングでEmvino(エンビーノ)を紹介したところ、事務所に設置したいと興味を持ってくださった方がいた。この方ともう一人のお客様のおかげで製品開発がスピードアップし、9月からは現在のデザインで販売できるようになった。エンジニアたちの在宅ワークも続いており、製品の改良を続けていった。テストも複数の企業の事務所や会議室で順調に進んでいた。
個人的には、母がペースメーカーの手術をしたので、しばらく実家で生活支援をすることになった。
10-12月
まつラボさんのブースの一部をお借りする形で「MAKER FAIR TOKYO 2020」に出展。昨年一年では最も印象深いイベント(これしかなかったので)となった。こちらでできたご縁は、その後にビジネスに繋がり、年初には考えていなかった展開もあった。
セミナー会場や、ライブハウスの3密測定をやらせていただいたりと、感謝なことが続く。
また、母の生活支援をしていた時期に近所の方とも知り合い、パソコン教室やらビジネスのお手伝いを始めた。
その後2回目の緊急事態宣言となって、換気の可視化が話題となりEmvino(エンビーノ)はだんだんと注目の製品になっていた。
振り返って気づいたこと
自分の一年を4半期ごとに振り返ってみました。ここまで書いてみて私なりに気づかされたことがあります。それは「悪い(望ましくない)出来事でも、行動によって良いことにつなげることができる」ということです。
独立する際に一番大切なのは売り上げの基盤が予め用意できるかどうかです。私の場合は、そのようなものは全くありませんでした。独立して以降、自分が主戦場としていた産業分野には全くと言っていいくらいかかわっていません。それは、そうしないほうが周囲のためにも良いという判断によります。最初は非常に不安でした。しかし、振り返れば多くの方に出会い、その方々との関わり合いの中で自分の事業を通じて成果を出しています。自分の生業と居場所を確立できたことは本当に大きなことでした。
今年はコロナ禍により新規開拓は困難を極めました。しかし、見方によっては、私だけが環境変化にさらされたわけではなかったということもできます。むしろ、在宅勤務が一般化して、ZOOMなどで交通費をかけずに営業が出来るようになったのは非常に大きかったです。おかげで関東にいながら関西・東北のお客様を開拓できました。
ここに記していない事業もシードプラスでは手掛けていますが、振り返ると「行動によって良いことにつなげることができる」という点は共通していると思います。IoTデバイスも、ほかの事業も、すべてシードプラスをスタートさせてから始めたものばかりです。「そんなの無理だよ」と言われるようなものでも、行動次第では「可能性の塊」に変わります。
もっと可能性の生まれる1年に変えていきたいものです。
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