チームになると手を抜いてしまう?
一人でやっている時には手を抜く事は考えられないのに、チームの人数が増えれば増えるほど自分ごととしての捉え方が薄くなり、人任せになってしまうという経験をしたことはなでしょうか?
リンゲルマン効果という言葉を聞いたことはありますか?
ドイツの心理学者リンゲルマンが行った「綱引き実験」では一1人の時より、2人、3人と綱を引く人数が増える毎に、本人が意識せずとも手が抜かれていく現象が起こった。2人で引き合う場合には本人の筋力の93%の力が出るが、3人では85%、8人ではなんと49%と力が抜かれていくという事が分かった。
人数が多くなればなくほど、一人当たり出している力が少なくなって行きます。これは本人に自覚がなくともそうなってしまうという事なので、びっくり!集団のサイズが大きくなればなるほど、この効果が現れやすいのではないでしょうか・・・
道端で倒れている人を見かけ、そこには自分一人しかいなかった場合は、駆け寄って声をかけたりケアしようとするのではないでしょうか?しかし、大型ショッピングセンターや混雑した駅ではどうでしょうか?私自身、経験がある事なのですが、駅の階段から50代の男性が落ちて血を流して倒れていましたが、誰も助けに駆け寄りませんでした。そこは阪急梅田駅で、ぶつかるほど多くの人が行き交っている場所です。その時は私と友人ですぐに駆け寄り、駅員さんを読んだり、救急車を呼ぶ手配をしたりしました。同じような状況を何度も目の当たりにした事があります。
逆に若い時には、駆け寄れずに傍観者になった経験もあります。小学生の男の子が電車内で水筒の水をこぼしてしまい、自分のポケットからティッシュ取り出し、一生懸命床を拭いていました。当時20歳だった私は、何度も声をかけようかと迷いましたが心のどこかで「他の大人が声をかけてくれるのではないだろうか?」と勇気がなく声をかけられず、後から情けなくて涙した経験もあります。当時、新人CAだった私は「制服を着ていたら絶対に声をかけたのに、私服の時には声を掛けられないなんてなんて、なんて情けないんだー!」と思って落ち込んだのです・・・
集団が大きくなればなるほど、自分で自覚していない所で手を抜いたり、自分でなくても良いだろうという心理が働いてしまうのだと思います。よく、「自分ごと化しましょう」と言われる事があると思うのですが、大きな組織や集団であればあるほど、自分ごととして捉えるのが難しくなるのではないでしょうか・・・
これは「力」だけの問題ではなく、「考える」と言う行為も同じように人数が増えると手を抜くようになるのではないかと思います。チームになるメリットもあると思いますが、その反面のデメリットの影響をどう小さくしていくのか?もチームのパフォーマンスを上げるには大切ですね。
集団になった時にどんな心理になる傾向があるのか?を知っておくだけでも、その渦に呑み込まれずに済むかもしれません。私たちは、今までの教育や経験の中で「みんなと同じで安心」を覚えてきたのだと思います。時として、それは自分で考える力を無くしていくことにも繋がります。正解のない世の中だからこそ、私自身は自分で考え自分で選択して生きたいと思っています。