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ダウ90000「旅館じゃないんだからさ」

ダウ90000の第6回演劇公演「旅館じゃないんだからさ」を配信で観ました。

結論から言うとメチャクチャ面白かった。
全員観た方がいいです。

僕の周りはまだあまりダウ90000のことを知らない。
だからなおさら言っておきたい。

この作品は観ておいた方がいい。

僕のコレは大体当たるので(自画自賛)


タイトルに「旅館」とありますが旅館や旅の要素は一切ありません。まぁ「“じゃないんだからさ”と言ってるのだから」と言われればそれまでですが。

とあるレンタルショップを舞台にそこでバイトする人たちと、その人たちと恋愛関係になっている(いた)人たち、そして一人の新規のお客さんで繰り広げられるお話。

3年前の作品だそうですが(蓮見さん天才かよ)、僕の体感だと今観てちょうど良かった。ここはやっぱり東京と地方の格差があったりするのだろうか。

コロナ禍も手伝ってまさにここ3年くらいで前にも増して映画やCDをレンタルしなくなっており、それはまるで“ホテル”じゃなく“旅館”くらいレアな響きになっていたのでした。(あれ、そういうことなのかな?)

カルチャー好きにとって「TSUTAYA(って言っちゃいますよもう)=平成」といっても過言ではないでしょう。

新作と準新作と旧作。

その泊数の違い(泊数はなんだか“旅館”みたいですね)

旧作◯枚で1000円キャンペーン。

そしてこの物語の肝にもなる延滞料金。

そのどれもが令和に生まれた子たちにとっては今でいう黒電話や電話ボックスくらい馴染みのないもので(なんで例えに電話を2つ出した?)、翻って僕らにとってはなんとも切ないワードになる。

映画や花、お店などがそれを共にした相手との記憶と密接に結びついている。この経験がない人なんてこの世にいないだろう。

ただし、その記憶の“濃さ”は人によって当然違ってくる。記憶というのはいつの日か忘れ去られるものだし、そもそも相手側には記憶されていないこともある。いくらこちらにとって大切な思い出であっても。


ダウ90000の脚本はすべて各メンバーをイメージしながら「あて書き」されたものだと蓮見さんが語っていたと思うけど、今作も本当に皆さん適材適所というかそれぞれの魅力が存分に発揮されている脚本で本当に感服いたしました。

特に園田さんの演技で途中泣きそうになった。良い顔するんだもんなぁ。


以前、蓮見さんが「僕らの世代の『ALWAYS三丁目の夕日』を撮ってみたい」と言っていて彼らと同世代の人たちが羨ましいと思った。

僕らの世代(42歳)でこういう人っていないんですね?歴史に名を残す凶悪犯罪者ばかり注目されていてなぜこういう人が出てきてないんだよまったく。


いつの間にかスポーツ選手もバンドマンもお笑い芸人も注目される人はみんな歳下になってしまいました。

最初は少し戸惑いもあったけど今はもう慣れた。だって皆さん凄いんだもの。

良い年齢になってきて周りとの話題も病気のことが増えたりもしていますが、こういう作品や現象や季節の動きにはまだまだ敏感でいたいと思う今日この頃です。ようやく秋らしくなってきたことだし。

色々書きましたがとりあえず一回観て欲しい。

よろしければぜひ。


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