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源氏物語:主役は光源氏にあらず

子供心に、『源氏物語』とは義経や頼朝の話かと思っておりました。それから50年、和文の魅力に引かれて三度も読みましたが、今度は平安流女たらしの話にしか見えなかった。でもそれは読みが浅はかだった! 光源氏とその末裔達の女性遍歴が書いてあるように見えるけれど、そこに描かれているのは実は、彼等に翻弄される女達の生き様なのだと、漸く悟りました。家内に自慢気に話したところ、「アタシは子供の頃に『あさきゆめみし』で読んだ時から、そう思ってたわヨ」と一喝されました... きっかけは言ってみ

    • 源氏物語:桐壷,帚木,空蝉,...の順に読むと、話の流れが不自然かも

      林真理子 (源氏物語の)初めのほうの、空蝉に対する光源氏の態度はちょっと傲慢。現代の女性に好意をもたれない感じがします。それも相手は人妻。紫式部はなぜ、読者に嫌悪感をもたせるような女性関係をオープニングに設定したのでしょうね。 山本淳子 なぜでしょうね。私にもわかりません。 ( 誰も教えてくれなかった   『源氏物語』本当の面白さ   林真理子×山本淳子、小学館新書   p.32、最後から二行目 ) 林真理子の疑問はもっともで、人気作家だけあっていいところを突いている。