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新謎解きはディナーのあとで【感想】
【前置き】
ここ数年、本をなかなか読まなくなった。
昔は毎日読まないと気が済まないぐらいだったのに、最近は文字を読むのが億劫になってしまった。
しかし本好きはやめられないので本屋に少しでもよると、ついつい買ってしまう。
どんどんと読んでいない本が積み上がっていく。
そんな中、たまたま本屋の前を通りかかるとこの本が発売されていた。
『新謎解きはディナーのあとで』
私は迷わず手に取りレジへ。
好きなシリーズの最新作となれば買わない理由がない。
が、しかし本を読まなくなっていた私はこの一冊を読むのにどれだけの時間を要したのだろうか。
前は一日で読み切っていたはずなのに…
【感想】
相変わらず面白かった。
新キャラも登場し、面白さが倍増していた。
お嬢様は可愛いだけでなく、後輩ができたことによって、お姉さん感がより出ていたように思う。
さらに、ますます風祭警部の扱いがうまくなっている気がした。
影山は相変わらずクールだけど、文章だと意外と表情豊かだし、毒舌のキレも最高だ。かっこいい。(私の頭の中ではcv櫻井孝宏さんである)
風祭警部は相変わらずうざかった(褒め言葉です)
相変わらずの推理力だし、ギャグ要因としか思えない(最上級に褒めております)
新キャラの愛里ちゃんの天然具合はこの作品をさらに面白くしていると思った。
私はミステリーが好きなのだけれど、いつも見破れない。犯人すら特定できない。
それを話を聞いただけで考察できる影山の脳内を覗いてみたいと何度も思った。
この作品はいわゆる安楽椅子探偵ものであると私は思っている。
そしてミステリー好きな私が憧れた探偵像はまさにこの影山である。
話を聞き、犯人やトリックを見破る。
やっぱりかっこいいなぁ。影山。
東川篤哉先生の本は、本格ミステリーなんだけどギャグ感が強くてとても好き。
ミステリーは元々好きだったのだけれど、この独特なテンポ感がたまらない。
初めて読んだ東川先生の本は『謎解きはディナーのあとで』だった。
このサクサク進むテンポ感。濃いキャラクター。ミステリーなのに重過ぎない。
そんな作品があるのだとすぐに好きになった。
今回の作品もキャラクター達がのびのびとしている感じでコントを見ているかのようだった。
しかし本格ミステリー。
なるほどと思うトリックや犯人の動機。
ミステリー好きだけでなく、あまりミステリーを読まない人でも楽しめる作品だなと改めて思った。
久しぶりに本を読んだのでかなり時間がかかってしまったが、素敵な作品で是非とも次回作を期待したい。