自然体　全部YESとは言わないで

「いい人に見られたい」「カッコつけたい」「いいところを見せたい」
　誰もが一度はそう思って振る舞ったことがあると思います。
　ですが、お伺いします。
　ツラくないですか？　背伸びした自分を好きになられてもなあって思いませんか？

　私自身は人から好かれようとは思いませんでした。昔から。
　それは、人のちょっとみにくい部分を見てしまったから。いわゆる、イジメにあっていたので。
　そんな人と仲良くしてもしょうがないなあと。

　逆にイジメっ子はいつも虚勢を張って攻撃的に生きて、人をイジメて気持ちを保とうとしていることに気づくと、哀れだなあと幼い頃に私は気づきました。
　こんなことをしても何にもならない。だから、戦わない。
　で、残念ながら以前も書いたように日本はイジメっ子にとっては何でもありな国。なので、私は戦わないために不登校になっていきました。
（ですが、学校の勉強や大学受験の勉強はして大学も受かりました。それは確かな自信につながっていきました）

　そもそも「自然体」って、誰とも争わないココロにならなければなれないものです。
「どっちに転ぼうがどこへ行こうがいいですよ」なのです。
　やれるだけやったから、あとは相手があることだし…と考えられないと次へ進めません。
　やれるだけやったというのは、自分の気持ちと向き合い闘った結果、そう思える言葉なのです。対象はあくまでも自分自身。誰かを相手に向いていません。
「自分の敵は自分」という言葉も聞きますが、それはどこかの部分でその通りなものです。ただ「自然体」という観点で考えると、少し自分に厳しい面が見え隠れしている考えであり言葉でもあります。
　社会に出ると、誰かから様々な仕事や問題や課題を背負わされます。どれだけやっても報われないし救われない気持ちになりココロがボッキボキにもなります。
　どこかでそれは「いいひと」をやっていると思うのです。「ＮＯ」と言わない美学が日本ではありますが、ある意味、安請け合いで引き受けてくれて都合がいいと捉えられます。
　どうしても「ダメ出しの文化」の社会。いいところを伸ばそうと口では言っていても、やはり社会から口を突いて出る言葉は、ダメばかり。
「君は努力が足りない！」などと言われますが、相手や人が求める努力など際限がありません。どこまで行っても努力の道は続いているので終わりがないんです。それなのにそんなことを言われると落ち込んでしまうのも当然ですよね。やってもやっても努力が足りないと言われるのは本当にシャクに触ります。「頑張ってるよ！やってるよ！」と反論もしたくなります。
　本当に自然体でいられることが難しい…いや、許されない気がしてなりません。
　社会だけでなく、家庭でも自分の役割を演じなくてはダメになり、もう自分のココロのコップの水があふれてしまう。

　では、どうすれば？
　もうそこは「いい意味でサジを投げる」「自分の自然体を押し通す」のです。
　はじめはやっぱり受け入れられないです。「何を自由に」と思われます。しかし、それがだんだん回りに自然体キャラが浸透していきます。すると、自然体キャラになると意外に回りに気を少しずつ遣えるようにもなっていきます。そこまでくれば、もうこっちのもの。無理もせずそのまま行けてしまいます。
　ただひとつ言えるのは「決して演じない」ことを心構えておくのです。
　もちろん、好いてくれる人・嫌ってくる人は出てきます。でも、それが人間関係においては普通なんです。それをよーく理解していれば当たり前の現象が起きているだけだと、それでいいんです。
　まず「何でもＹＥＳと言う八方美人」をやめてみませんか？

　私たちが働く事業所のみなさんも、いったんはみんなに好かれるように生きてきた人でもあります。でも、リアルはそうはいきませんでした。
　何度もココロが折れてはまた生き直していく。それはたぶん少しずつ「これでいいのだ！」という気持ちが育っていったからだと。
　それをまた許してくださる回りだからこそ、こうして表現ができるのだと実感しています。

【執筆：Ｏｎｅｎｅｓｓ Ａ　年がら年中ＩｃｅＣｏｆｆｅｅ】