日本酒のお話~番外編 雪の茅舎と秋田の珠玉たち
こんにちは木咲杏です。
「おいしい~」しか言えない語彙力のため、日本酒の味わいなどの記事は進雅に任せている私です。
でも、今回はとても素晴らしいことがあったので、記しておきたいと思います。
11月も半ばを過ぎた頃…進雅の数年来の思いを叶えるため、私たちは覚悟と想いを持って、遠く秋田まで向かいました。
秋田まで行くのだから、地元の美味しい日本酒を味わえたら…という気持ちは当然ありましたが、限られた日程の中で、どうしても遂行しなくてはいけない目的があったため、どこかで期待はあまりしないようにしていました。
しかも晩秋の東北日本海側、荒天予報。
道中、だんだん雲は厚くなり、トンネルを超えると暴風雨。
目的すら達せられるのか危ぶんだような一瞬がありましたから、お酒のことは頭から飛んでおりました。
長い前置きとなってしまいましたが、このような経緯があったから余計に、今回の秋田の素晴らしい日本酒たちが、私の心に沁みたのです。
そして到着した秋田。。。
なんとか強い願いが通じたのか、雷鳴響く大荒れの天候でしたが、なんと、私たちが外で思いを果たしている間は雨がピタッと止んでくれて…。
そして夜には、秋田でお会いできた方々と、生涯忘れられないような会食のひとときまで過ごすことが出来たのです。
やはり地元のお酒のことは、地元の方にお任せするのがベスト!ということで選んでいただいたお酒を頂戴することに。
まず最初におススメしていただいたのが「雪の茅舎」というお酒。
会食のためなんとなくスマホを取り出すことが最初憚られていたので、撮れておらず写真はなくてスミマセン。品書きもボケています。
そこのお店では日本酒が、ワイングラスに注がれて提供されました。
色味はほぼ透明ですが、よく冷えてグラスがうっすら白く曇っていたため、見た目も白ワインのような雰囲気。
まず香りを味わってみると…いい香り!!!
花のような、果物のような、甘いのだけど甘ったるくはない。
さわやかな甘さというのかしら?
もうホントいつまでもかいでいたくて、グラスに顔近づけたまま離れられない(笑)
一口目で「これは!!」
もうめちゃくちゃ美味しい、うまい!(はい、語彙力のなさを発揮します)
グラスで届いたけれど、4合瓶にすればよかったかと思うくらい。
柑橘を思わせるようなさわやかな甘い香りで口に含むと、最初はその通り甘口かな?と思うのですが、後味はきりっと引き締まるので、辛口を標榜しているその飲み口には間違いありません。
ゆっくり味わいつつも、100mlほどでしょうか、注がれていたグラスはすぐ空に。
そして、他にどんなのがあるのだろうかと日本酒のお品書きを見る(笑)私に次におススメしてくださったのが「飛良泉 山廃純米酒」
こちらもワイングラスにてやってきます。
香りは先ほどの雪の茅舎ほどではありませんが、これもいい香り。
一口飲んでみると、最初はやはりふわっと甘さを感じるのですが、そのあと締まる。これは何でしょうね、不思議です。
比内地鶏の御出汁のきいたきりたんぽ鍋と一緒に頂いていたのですが、しっかりした味のお料理にも味がブレることはありません。
いやーーこれも美味しい。。。。連続してなんていいお酒なんだろうと言葉を探すのももどかしいくらいに感動しつつ頂いてグラスを置く。(笑)
そうしているとすぐに次のおススメが。
「福禄寿 十五代彦兵衛」
十四代と十六代もあるのですよ、というお話しをお聞きしつつも心は既にグラスに奪われて。これもいい香り…いぶりがっこのようなお漬物の味や、それ以外の甘辛いお料理にも合い、すごく実力派の存在感を感じるお酒です。
秋田のお酒はどれもこれもなんでこんなに美味しいのか、最初の雪の茅舎はもっと飲みたかったけど4合瓶にしなくて正解だったのかもしれません。
日本酒のお品書きには7種書かれていますが、ワイングラスに半分弱とはいえさすがに全部頂くことはできないなあ…3杯目で終わりにすべきかしら。。。と迷っているのがバレたのでしょう(笑)
もう一杯いきます?とおススメしていただいたのが、「太平山 純米大吟醸天巧」でした。
最後の一杯、心していただこうと、まずは香りを楽しむ。。。
ああやっぱりいい香りだ、秋田のお酒ってなんでこんなに華やかで晴れやかなんだろう?何というか心が躍る感じ。
ホントはもっと飲みたいけど、これ以上いただくと楽しくて止まらなくなるから、名残を惜しみつつ最後の一口いや一滴まで味わいました。
いや~、ホント、ホントに素晴らしいお酒を頂きました。
どれもこれも全て買って帰りたいのは山々でしたが、やはり4種類全てを購入することは難しく、泣く泣くどれか一つに絞ることに。
どれも甲乙つけがたく、しばし考えましたが、最初におススメいただいて、強く印象に残った「雪の茅舎」にしようと決めました。
翌日は帰路を急ぐはずでしたが、市内の酒屋さんを探して購入して戻ったのでした。
帰宅してすぐに冷蔵庫に入れ、感動冷めやらぬうちに…と。
秋田の思い出話とともにいただきました。
ご覧いただくとわかるとおり、透明感のあるすっきりとした見栄え。
不思議なのは、この普通のグラスと、秋田のお店でいただいたときに注がれていたワイングラスとでは、少し香りが違っていたんですね。
もちろんこのグラスでもいいんですが、ワイングラスの方が形のせいでしょうか、香りを強めに感じました。
秋田でいただいたどのお酒も、香りの華やかさが特徴に感じられましたので、それを第一に味わうことを考えるならワイングラスで楽しむのもいいのかな、と感じた次第です。
そんな違いを2人で話しながら、心は秋田に舞い戻り…。
遠いけどまたいつか行きたい、そんな思いを馳せたくなる秋田の日本酒でした。