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「飛来」
その人、そのものの飛来
昔、何万人もの村人の命を奪った隕石みたいに
今日、その人が全人生を肩に背負って私の元へやってきた
予告もなしに
なんだってんだ
とんでもないこと
とんでもないこと
受け入れられるかなんて
気にもしないんだ
ただその人は
瞬きもせず
嘘もつかず
スクリーンからはみ出し
熱い肉のかたまりのまま
静かに
激しく
全体重を賭けて
見つめているだけ
ひととなりの花火が
暗い夜空を
貫いては消え
貫いては消え
貫いて髪の漆黒、
火薬の匂い
滴る汗に
開く瞳孔
縮む息
こちらも震える肌でもって応戦するんだ
あの韓国の詩人の言っていた通り
こんな人と出会ってしまったら最後、
これは確かに
大事件だ