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飲み会での思い出話(鬱)
去年の8,9月に、私はインターンの飲み会に2回参加したことがあります。そのうちの最初の1回では、私の家族のことを社長さんや他の人から聞かれました。でも、私は聞かれたというよりは、まるで問いただされているような感覚でした。他の学生も聞かれていたけど、私はなぜかたくさん聞かれたような気がして嫌でした。
質問の内容は、家族の職業についてでした。
「お父さんはどこで働いているの?」
…東邦ガスです。
「お母さんはどこで働いているの?」
…ゆうちょ銀行です。
「兄弟はいるの?」
…兄がいます。
「何歳?何をしてるの?」
…兄は22歳です。専門学校に行っています。
「何の専門学校?」
…デザイン系の専門学校です。
当時、兄は学校を中退して引きこもり?状態でしたが、言いにくかったので、そこだけ過去の兄のことを話しました。でも、これだけのことを聞くと、良い家庭環境にしか思えないんでしょうね…。
社長さんからは「安理はお嬢さまっぽいよね」という驚愕の一言を言われたのを覚えています。私はそんなに育ちが良さそうに見えるのか…と思いました。実際に、裕福で育ちが良いお嬢様だったらどんなに良かったのかな…って、悲しく思っていました。
もし、私が「父はいません」もしくは「母はいません」と答えていたら、きっと気まずい雰囲気が流れたんだろうな…とも考えていました。みんな私に親が居ると思い込んでいるのが、不思議で仕方ありませんでした。そして、ずけずけと他人の家庭事情の話を聞き出そうとするのが気持ち悪いな…と思っていました。家庭のことも含めて私のことを判断したいから、聞いているというのが丸わかりでした。だから、私は不快でしかありませんでした。
私は2回しか行ったことがありませんが、飲み会が嫌いでした。酒を飲んでいる人の姿も、タバコを吸っている人の姿も、見たくありませんでした。当時19歳という中途半端な年齢の関係で、酒もタバコにも手を出せないのには、なんとなく疎外感もありました。もし私がそのとき20歳だったら、タバコを吸わせてもらっていたり、酒をたくさん飲んでいたりしたのかどうかはわからないのですが…。
飲み会中には、気さくな人に話しかけてもらえていたけど、私は話をすることが苦痛だったので、とっとと帰りたいと思っていました。居心地が悪かったし、帰りが遅くなるのも嫌でした。参加しなければ良かったかな…と少し後悔もしていました。
22時を回ってからやっと帰れることになって、22時半くらいに解散した後は、一人で静かな夜道を歩いていました。途中、コンビニのところで静かにたむろしている男女数名を見かけて、何を食べてるのかな…とか、何を話しているのかな…と思いつつ、少し羨ましさを感じていました。私も混ぜてほしいな…と少し思ったんです。私はいつも一人ぼっちだから。
私は、夜中の暗い道を一人で歩くのが好きでした。月が出ている時は、月を眺めながら帰っていました。22時までスーパーでレジのアルバイトをしていた時も、帰り道だけは穏やかな気持ちでいられていたような気がします。このままどこにも帰らずに、死ぬための終末旅行にでも出かけたいな…と思っていたこともありました。
夜が明けるまで歩き続けたいくらい、私は夜道が好きでした。誰にも怒られないし、私の存在が闇夜に隠されるような気がして、高揚感があったんです。だから、家に着いてしまうのをいつも名残惜しく感じていました。私は家に帰りたくありませんでした。
その日、飲み会が終わった後は、地下鉄の駅まで歩いて、電車に乗って、23時過ぎに家に着きました。家に入ってからは、待ち受けていた母に「お酒臭い」「気持ち悪い」の二言を言われて、私は地味にショックを受けて自分の部屋に上がりました。社長さんやその場に居た他の人が想像していた私の母は、「気持ち悪い」という言葉を使うのかな…と思いながら…。
そんな思い出話(鬱)です。