【無料記事】特許検索式を作成する特許について調べる
AI特許類似文献評価システム『AI Samurai®』に自動的に検索式を生成するNINJAモードが搭載されるとのプレスリリースがありました。
本日は、こちらのニュースをもとに「特許検索式を作成する」を 毎朝特許検索 のテーマとしてお届けしたいと思います。
実はJ-PlatPat特許・実用新案検索メニューで”検索式”というキーワードで検索すると
[検索式/TI] 50件
[検索式/AB] 519件
[検索式/CL] 704件
ヒットします、要約やクレームで検索すると思ったよりもあります。
実はヒットした特許をざっと見ると、必ずしも特許の検索式ではないことが分かります。
特許の検索式に限定するために、たとえば
[検索式/CL]*[特許/CL]
とすると44件になりました。
特開2018-045575 野村総合研究所「検索式提示システム、検索式提示方法、およびプログラム」
など関連特許が見つかります。
野村総研の特許を見てみると、
【要約】
【課題】形式的には問題がない検索式ではあっても、検索実務を熟知しているユーザであれば容易に気が付くような誤り等を含む検索式を修正すること。
でAIを活用しているように見えますが、入力した発明ないようから検索式を生成するわけではなさそうです。
IRDの谷川先生はPatent Search Assistant(PSA)というサービスをリリースしているので
アイ・アール・ディー出願の特許を見てみると、
特開2012-053516
【課題】適切な特許検索式を容易に生成することができる特許検索式生成装置を提供する。
【解決手段】関連用語情報格納部101に格納された用語と関連用語とを有する関連用語情報から、キーワード受付部102が受け付けたキーワードと一致する用語と対応付けられた関連用語であって、キーワードと一致する文字列を含まない関連用語を、特許検索式の候補キーワードとして取得する候補キーワード取得部103と、取得された候補キーワードを表示する候補キーワード表示部104と、候補キーワード取得部103が取得した候補キーワードの1以上を、特許検索式に用いるキーワードである検索キーワードに指定する指示である指定指示を受け付ける指定指示受付部105と、指定指示により指定された候補キーワードを含む特許検索式を生成する特許検索式生成部107とを備えた。
とあり、
1)キーワード入力
2)候補キーワードを抽出・選択
3)選択されたキーワードをベースに特許分類を抽出して検索式生成
という流れなので、AIベースとは言えなそうです。
なおIRDの直近の特開2019-087006「特許情報処理装置、特許情報処理方法およびプログラム」では、
【0001】本発明は、検索式を用いて検索した特許に対して、機械学習等を用いて分類する情報処理装置等に関するものである。
ということでAIベースで母集団を分類展開するPatene NoiseFilter(PNF)に関する出願が確認できます。
他にも個人発明家の方から
特許第6156763号「特許文献の検索方法」
【課題】特定の技術の特許分類に関する深い知識が無くとも、特許データベースの適合文献を網羅的に検索できる方法を提供することを課題とする。
という出願があり権利化されています。上記のような詳細フローも掲載されています。
ざっと見たところ、AIベースで特許検索式を作成するという出願はなさそうです
[株式会社AI,1C,Samurai/AP]
でAI Samuraiからの出願が19件あることが分かりますが、今回のNINJA機能に関連するのはまだなさそうです
個人的に興味あるのは、
特開2020-095669「特許マップ表示装置及び特許マップ表示方法並びに特許マップ表示プログラム」
で、動向を可視化するIPランドスケープ機能
に関する出願です。防衛大学出身の白坂さんらしい(あと年代的に「信長の野望」の影響を強く受けている、と思う)なと。
人工知能×特許調査や、人工知能×特許分析はこれからどんどん進化していく分野だと思いますので、各社のツールについて期待しています。
なお、AIツールとの付き合い方については以前にnoteでまとめましたのでぜひご参照ください
以上、本日の毎朝特許検索 でした。
備考:Twitterで2020/6/19配信
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