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英語とキャリアとお肉屋さんの話。

高校時代の英語の先生は新しい言葉を覚えさせるのにいつも馴染みのある日本語を使った。そしてなぜかそれは地名であることが多かった。

例えば「in other words(言い換えるならば)」という表現。

これを「稲沢」と覚えろという。ちなみに稲沢とは愛知県稲沢市のこと。

僕らは隣の岐阜県の高校生だから理解出来たが、他の地域の学生には無理のある覚え方だ。


発音にも厳しい先生だった。

「career」を「キャリア」と読むのは間違いで、発音記号によれば【kəˈrir】なので「キャ」ではなく「カ」に近いという。

覚え方は「刈谷」。ちなみに刈谷とは愛知県刈谷市のこと。


クラスメイトは「あの先生、誰か有名人に似ているよね~」と言っていたが僕は個人的に「三億円事件の犯人」に似ていると思った。

もちろん内申点のためには口が裂けても言えなかった。

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あの事件の犯人が先生かと想像するとソワソワしたものである。

キャリアが刈谷なのだとしたら

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僕の仕事はキャリアコンサルタントで、同時に海外留学カウンセラー。

仕事柄、英語の発音にはシビアでありたいが、だとすると「国家資格キャリアコンサルタント」と名乗るのは恥ずかしいし、

発音的には「刈谷コンサルタント」である。

そうするとリクルートキャリアは「リクルート刈谷」になるし、

僕が副業で参画しているミートキャリア「ミート刈谷」になる。

どことなく下町の商店街にある精肉店のようだ。風情がある。


「英語を使った仕事をしたい」という人の落とし穴

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今日の本題は英語を使った仕事の話。

僕たちの業界にいると一定数出会うのが「英語を使った仕事をしたい」という人達である。

気持ちはよく分かるし、僕自身も同じ思いに駆られたことがある。そのために27歳で会社を辞めてセブ島留学をした。

結果として日常英会話も出来るようになり、とりあえずTOEICで950点以上を取得し、留学エージェントとしては仕事で英語を使うこともある。

しかし当社で求人を行い、応募してくる人の大半が「仕事で英語を使いたいから応募しました」というと、

「またか。」とうんざりしてしまう。

彼、彼女らにはいくつか欠けている視点があるのでここで書いておきたい。


欠けている視点①「英語を使った仕事」という動機は思考が浅すぎる

英語というのはコミュニケーションツールである。

ツールというのは問題を解決したり便利にするために使われる。

英語であれば外国人とコミュニケーションを取る際に日本語では通じないから使われるのである。

その意味では英語なんてメールやEXCEL、Slack、Zoomと変わらない

ではあなたは仕事を探す時に「Zoomを使う会社に入りたい」とか「パソコンがMacの会社に入りたい」といった浅い志望動機で臨むだろうか?

僕は「英語を使って仕事をしたい」という人に対しては、「もっとその動機を深堀りして考えてみましょう」と言うようにしている。深堀りすると違った動機が見えてくる。例えば、

・外国人と一緒に、色んな国の文化を学びながら働きたい
・出張で海外へ行きたい
・日本の商材を海外へ売り込みたい
・「私、職場では基本英語なんだよね~」と友人に言ってチヤホヤされたい
・「君、英語出来るんだ!ウチの会社は出来ない人が多いから助かるよ!」と言われたい

などなど。もちろん動機は何だっていいのである。

合コンで自慢したいというもの良し。

大事なのはこうして深堀りすることで違った選択肢が見えてくることだ。

実際にキャリアカウンセリングでこんなやり取りがあった。

(相談者):留学してTOEIC850点取得したのですが、せっかくなので英語を使った仕事がしたいです。楽天とかソフトバンクとか格好良いですよね。

(早川):「英語力そのものを職場でアピールしたいのであれば、むしろ大手ではなく中小や零細企業の方がいいんじゃないですか?」

(相談者):たしかにそうですね。何となく外資系や大手企業と考えてましたが、そこでは社員みんなが英語出来ますもんね…。

今どき英語力だけで評価されるのは難しいが、それでもアピールするのであれば社内で英語が出来る人がいない会社に入った方が圧倒的に希少価値が高まる。

ビビリな社長が海外出張の度にあなたを外国へ連れて行ってくれるかもしれないし、僕の友人は社長がハワイでゴルフをしたいから、休みのたびに現地のゴルフ場の予約をさせられていたが、おかげで社長にはたいそう気に入られていた。


欠けている視点②英語が出来るようになると英語を使った仕事はさほど面白くない

僕も英語を使って仕事をしたいと思っていた。そして今実際に仕事で英語を使ってみて分かったことがある。


さほど面白くない。


断っておくと仕事そのものが面白くないわけではない。でも英語が出来ることが普通になると、英語を使う仕事は他の仕事と同じになってしまう。

英語を使うワクワク感も無いし、例えば海外顧客に英文でメールを打つことは営業や伝票整理や請求書作成の業務と変わらない。

むしろちょっと面倒くさいと感じるくらいだ。


大事なことは英語を使って何をしたいか

まとめると「英語を使った仕事がしたい」と考えている人はさらに深堀りをして「英語を使って何をしたいのか」まで考えてみてほしい。

そういえば先日清水ミチコ似の友人にその話をしたら、

「でもオーランド・ブルームみたいなイケメンが上司だったら毎日オフィス行きたくなるしモチベーションも上がっちゃうよね~」と言っていた。

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実際の彼女の上司は伊武雅刀に似ているけれど、それはそれで立派な動機なのである。

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おしまい。

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