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学校での居場所づくり【新聞記事を読んで】

 学校に行けない子供たちのために、校長先生自ら取り組んでいらっしゃる学校。
 まずは学校内で子供が安心して一人でいれる場所の確保。そして教員との信頼関係を築くこと。とても大切なことだと思います。こんな校長先生が増えたらいいなぁ。。。

 そしてさらに大切なのは、次のステップをどう考えるかですね。

居場所の質をどう高めるか

 まずは「居場所の質をどう高めるか」、隔離し保護する居場所から「学びの居場所」へのステップアップ。
 学びの居場所とは勉強する場所、先生が補習をしてくれる場所という意味ではありません。その子の感性や知性を働かせ、前に進むことへの意欲を高める場所。子供たちは、安心できるソファでくつろぎたいという時期を過ぎると、やがてセーフゾーンから飛び出して自分で動きたいという思いが生じます。彼らが自分の力を確信し、どう動こうかと思考をする経験が必要です。それには他者との関わりと本人の主体的行動が必要です。将来のことや生き方について教員が説き教えたり、教員目線で準備された活動を与えたりするのではなく、本人が主体的に動き様々な人の生き方に触れ、インスパイアされるような経験ができる場所。もちろんインスパイアする人が教員の場合も、同級生の場合もあります。そういった場をどう産み出すか。
これは学校内においては簡単なことではなく、そもそも地域社会が担うべき役割。私たち大人がそうした場所を地域社会にたくさん準備し、セーフゾーンから飛び出そうとする子供たちを受け入れていく必要性を強く感じます。新たに何かをつくるわけではありません。大人が少し意識を変えたら、今ある様々な場所が「学びの居場所」になると思います。 

学校の空気をどう変えるか

 そしてもう一つ大切なのは、学校の空気をどう変えるかということ。
 人間関係に苦手意識をもつ子は多いですが、誰か特定の相手を排除したり、隔離したりすればその子が元気になるという考え方は間違いだと思います。いじめも然り。加害者を指導することは絶対に必要なことですが、例え加害者が改善したとしても、学級の空気が悪ければ次の加害者、被害者を生み出します。加害者だった子が一気に被害者に転じることも、よく聞く話です。
 学校に行けない子の多くは「空気が吸えない」と言います。吸えない空気にしているのは何か?これも子供の問題ではなさそうです。大人(教員)の言葉であったり視線であったり、それに派生する子供同士で監視する目や言葉、そして同調圧力、そういったものが学級や学校の空気を「吸えない」ものにしているようです。
 どうしたら浄化できるか?答えは明確ですが、それを大人(教員、特に校長かな)がどれだけ本気で実行しようとするかが要ですね。

 学校を辞めた元校長が言うことではないかもしれませんが。。。


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