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創造の島

こんにちは!「函館在住者」のたにです。
3か月、西部地区を回り、僕は最後の投稿になります。

以前までの話はこちらから

函館に在住しながらも全く西部地区に関わりがなかった3ヶ月前と比べて、
いまは関わった人もできて、少しは繋がりができてきたんじゃないかなと思います。
この3ヶ月、西部地区に関わってみて、率直に思ったことをつらつらと書いていきたいと思います。

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僕は二年前、札幌から函館に引っ越してきました。
来る前の印象は、「なにもない街」。
それは先輩達から刷り込まれてきた印象でした。
五稜郭に引っ越してきて実際に思ったのは意外に都会だな、くらいでした。
そこから一年、学校に行くかシエスタに行くかぐらいで函館のイメージは特に変わらず、「中途半端な都会」と、札幌、東京、金沢を経験した僕は思いました。

しかし、あるきっかけで、函館山麓に来ることがあり、面白い建物がたくさんあるな、とか、古民家がたくさんあっていいなと思いました。
そこで初めて西部地区の存在を知ったのです。


それから、この活動が始まり、この街の魅力を体感しようと、街をめぐりました。
そして思ったのは意外と「たくさんある」ということです。
ここには、「街のかっこよさ」「個性的な店」「人の繋がり」が存在しました。

そして僕がなりたいと思う「表現者」にたくさん会うことができました。
個性的な店は、もちろんオーナーが魅力のある人で、かつ何か目指すものがなければ生まれないと思います。
そういった店が多くあるのは、そのように魅力的な人を呼び込むほど、街の魅力があるからなのでしょう。

この街のかっこよさは、決して先進的なものではなく、人の感性に訴えかけてくる、「美しさ」を持ったかっこよさであると思います。
だからこそ、惹きつけられる人はとことん惹きつけられるのではないでしょうか??

そう、この街はそういった「ある感性」に訴えかける「」のようなものを持ち合わせているのです。

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西部地区でお店をやっている色んな人に話を聞いてみましが、やはり、その人にとって西部地区の町並みは「変わることのない憧れ」でありました。
そういう人たちからすると、この街は「なにもない街」では決してないのだと思います。

ないとしたら、大量消費するような流行りのお店でしょうか?


また、出会った表現者達は、当然のごとく、みなさん自分の手に「なにか」を持ち合わせていました。
その「なにか」とこの街の「核」とが混ざり、価値を生み出していました。これがもっと増えれば、もっといろいろな「なにか」が「」にあたれば、きっといつかは爆発が起きてくれる。


建築家の富樫さんがその立役者になるのではないでしょうか?
建物の文脈と居住者の文脈をつなぎ合わせる。
富樫さんはそのことを「糸と糸を結ぶ」と言っていました。

そして、これによって「新しい価値」を生み出したいとも。


僕にはこれが楽しみで仕方がありません。

この世の中、全く新しい価値が生まれるのは非常に難しいことだと思います。

現在のカルチャーの中心はミックス文化です。DJが市民権をいま得ているのも、多様な価値観が混ざり、ニュースタンダードの価値観ができているのも、様々な価値を認め、あるものとあるもので新しい価値を作ろうとしているからだと思います。

その考えでいくと、この函館西部地区は、最先端にもなりうるミックスをふつふつと起こせているのではないでしょうか??

僕はそういった「アーティスト」がこの街に集まり、この街の「核」に反応し新しい価値を生み出せば、いい意味で、「陸の孤島」として「ニューカルチャー」ができるのではないかと思いました。

これを杉屋さんで話したところ、なんとその行動は昔にもあったようで、この街にアーティストが集まる場所を作ろうとしていたそうです。
しかし、タイミングや共同するメンバー、金銭的な問題など、様々な条件によってうまくは行かなかったそうです。

この街はおもしろくない。
若者は外に飛びだっていきます。

「なにが足りないんでしょうか?」

「アートがない、街を蘇らせるのはアートだ。」

昔町おこしを、声を上げて戦った人たちの、この火は、この意思は、誰が受け継いでいくのでしょうか?
昔ものづくりをしている人達30人を集め、一日限定で物産展のイベントをしたときは、500人もの人が集まったそうです。
この街にはちゃんと風が吹くのです。

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僕はこの3ヶ月この西部地区を通して函館を見てみて、
この街を出る
という選択をすると思います。

それは、自分がまだ何も持っていないから。です。

この街には持っている人がたくさんいます。
しかし、だからといって自分がここにいることで何かを持てるかというとそれは違うと思います。

この街をでて、自分で武器を持ってこの街に帰って来る。
そんな人が多くなればいいなと思います。
だからこそ、この旧市街の魅力を知ってからこそ外に出ていってほしい。
そして、そこから自分で力を身に着けながら北を目指してほしい。

大きくかがむ期間が大きく羽ばたくことに繋がると、僕は信じています。

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この3ヶ月。見たものは光だけではありませんでした。
きっと自分が感じたこと、見たことも、たったほんのちょっとでしかないのだと思います。
しかし、自分の中で「なにもない街」が足を動かし体験することで、「表現者の街」に変化していきました。
この体験をもっと多くの人に、特に学生にしてほしい。

「なにもない」という価値観を、自分の目で、この西部地区の魅力の「核」を体感して塗り替えてほしい


そう思いました。


思い返せばこの3ヶ月、西部地区のどこへ行こうとも僕はをしていました。僕の記事を読んで、この街で旅をしてくれる人、多くの表現者に会い感性を受け取る人、この街の「核」に迫る人が少しでも増えてくれるといいなと、切実に思います。

そしてわがままを言うなら、多くの人が力をつけて北上してくるようになればいいな。

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3ヶ月読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございました。
考えたことをありのままに書いていますので、いろいろな心情の変化、考えの変化、さらには文を書く力の変化を楽しんでいただけたらと思います。(もしかしたら成長してないかも)


また、僕はあと1年ほど函館にいますので、もし見かけたら気軽に声をかけてください。

ではまた火を灯す日まで。

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