ずっとこれでいい・・
先日、とある知り合いがこんなを話していた。
その方の父親は70代半ば過ぎなんですが、ここ何年かはあの誰もが知る某ファストファッションブランドU社の洋服ばかりを着ていたそうです。
ところが昨年の秋ごろから突然、某アウトドアメーカーN社の洋服に目覚め、ダウンなんかを買いまくっていると言うのです。
当然のようにU社のモノはもう着ないのだそうですが、2、30代なら未だしも、何が驚きって70歳を過ぎて・・今の年配の方は昔とは違うんですね。
人間はいくつになってもみんなと同じ物から離れて行きたくなる衝動にかられるものなんだと痛感した。
そのおじ様が次はいつ頃どこへ行くのか気になるところではあります。
そういえば、わたしのようにずっとアパレルの業界にいると、こんなセリフを何度も聞いた。
「もう、ずっとこれでいい」
気持ちはすごく解る、歳を考えるとそろそろ何処かに落ち着きたくなる。
ようやく自分に一番しっくりくるものを見つけたと思いたくなるのでしょうが、翌年になるとまた違うジャンルの洋服を買っているなんてことは多々みてきました。
洋服は着飾ってるとか、おシャレしてるとか、歳と共に少しずつ小っ恥ずかしくなるものです。
でも、根っからの洋服好きは買う頻度は少なくなれどやっぱり洋服好きで、
なんでもいいとはならないのです。
何より人のためでなく自分のために「着る」ようになっていくから、より自分らしさに磨きがかかってくるのです。
好きな音楽も、好きな味も、好きなインテリアも全て自分のスタイルになってくれば、どんなジャンルも和も洋も何年代だの、ごちゃ混ぜでも関係ないのです。
自分の思う組み合わせでこそオリジナルだし、またそのオリジナルも変化していって然りなのです。
人の目なんてどうでもよくて、邪道というならそれで良い。
このモノあまりの時代に何を選ぶか?なんて悩みがちだけど、選ぶことへの意識を捨てて、食指の動くまま、ついニヤリとしてしまうモノこそがオリジナリティでいいと思う。
わたしは50歳を過ぎましたが、アンティークの動物の置物にはついついニヤけてしまう。洋服だって「こんな風に着たいな」と思う探求心のようなものは昔と何も変わっていない。
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