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デニムの良い色とは。

デニムの良い色って何だろう?
一般的にはビンテージにみる縦落ち感だったり、ヒゲの入り方であったりするのでしょうか。少し黄ばんだトーンに深みを感じる人もいたりする。

古着やビンテージ好きな人ほどそこへのこだわりが高いのかと思いきや、そうとも言えない。意外とあたりが出ていないしっかり青みの残ったものが良いという人もいる。実際に私もその一人だし、その青さもくすみのない素直なブルーが一番の理想。

本当の古着好きはレプリカというものに少なからず抵抗があるものだ。
それは単に本物偽物ということではなく、ビンテージに少しでも近づけたいとこだわる(やり過ぎる)加工への嫌悪感かもしれない。一昔前に市場や街中で見かけた加工デニムが更にそんな思いにさせてしまった感もある。
つまりはデニムは全てにおいてシンプルでなくてはならず、作られ過ぎてはいけないのです。

すごく微妙なニュアンスなので伝わらないかもしれないが、ビンテージはビジュアルであってビジュアルではないのだ。あくまでもそのモノが背負ってきた歴史そのものであり、それは決して真似できない。
わたしがanother20thcenturyで”レプリカではない”と常に前置きしているのもそんなことに他ならない。
それでも20世紀にこだわるのはなぜなのか・・。
自分自身が体感したのは僅か30年、残り70年に対する嫉妬も否定できない。苦しく大変な事も多かった激動の時代であったはずなのに・・、それくらいここ20年を味気なくつまらない時代と感じている表れなのかもしれない。

20世紀最後の90年代、少なからずファッションの世界だけは元気だった。
今の若い人たちはそんなダサさも遊ぶようにファッションを楽しんでいる。まさに90年代の空気にさも似たり。
わたしたち世代には決して真似できないが、大人ならではの90年代を楽しもうではありませんか。
情報が乏しく何が正解かもわからなかった時代でしたが、今思うとそんな空気感こそレプリカしていきたいのです。

Coal Miner pants 90's denimはそんな頃のブルーをイメージしました。
ヒゲはもちろん、セルビッチもあえて開かずに洗い加工に入れました。
少し履きこんでいくことで出てくる青さには、ミミのアタリすらが余分なのです。

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