はじめてのnote | 31文字の風船
はじめまして。あのしたと申します。
歌人と名乗りたい者です。
日本人なら誰でも馴染みのあるリズム。
五 七 五 七 七
そう、短歌。知らぬうちに心の中で詠んだことはありませんか?
「字余り」とか呟きながら。
心が動いたとき、揺さぶられたとき。自然と歌を詠んでしまう。
俳句なら「季語なし」とか言いながら。
かくいう私もその1人。
そんな愛すべき和のDNAを感じながら、それに抵抗している時期がありました。
「絶対に短歌なんかやるもんか!!」と。
そんなことを思うのは短歌を意識している人だけですね。笑
つまり本当はやりたかったわけです。では、なぜ反発していたのか?
答えは明快で、母親に勧められたからでした。
私の母はとあるコミュニティの中で、短歌を詠む会に所属しています。そしてある日、私に声をかけるわけです。
「あのしたちゃん、あなた短歌やりなさいよ。向いてるわよ、きっと。」
そうかなぁと腑抜けた返事をしながら、私の中にムクムクと生まれたのは反抗期の中学生のような不貞腐れた気持ちでした。宿題や明日の準備を早めに片付けろと親に言われた時の心の動きと同じでした。
親に「あなたのこと、よく分かっているわよ」という雰囲気を出されると「お前に私の何が分かるんだ!」と拗ねたくなる気持ちです。恥ずかしながら私は反抗期を未だ終わらせることが出来ずにいるのだと思います。
素直に「ありがとう、やってみようかな」とでも言えたらかわいい娘なのに。(例え四十路を過ぎていたとしても)
なぜこんな風に感じるのだろうと考えてみて気づいたのですが、私の才能を親の手柄にされてたまるか!という気持ちがあることを正直に認めておきます。非常に傲慢だなと自分でも思うのですが、あるものはあるので仕方ありません。
こうして中年反抗期の私は母の勧めもあり、短歌をはじめました。もちろん報告はしていません。照れくさいのもありますし、先述の通り「ほらね、向いているって言ったでしょ」とドヤ顔をされるのが嫌なのです。
そんな自分に対して、別にドヤ顔されたっていいじゃないか小さいことに拘るなよ、ともう1人の私が呆れているのも事実です。
そんな小さな葛藤を抱えながら日々の創作に励んでいます。
母に「短歌をはじめたよ」と言える日が来たらいいな、ともこっそり思っています。
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短歌をはじめるべく、iPhoneに57577というアプリを導入しました。手軽に創作と投稿が出来て、短歌超初心者の私でもすぐに使いこなせています。
短歌にルールがあるのかどうかも分からない。現時点で理解しているのは、五七五七七という文字数縛りだけ。
私はこれまで自らの心が動いた風景を巡らせながら投稿しまくりました。出来がどうだとか考えることはありませんでした。
昨日のこと、今朝のこと、10年以上前のこと。短歌を詠むのに時空は存在しないのだと感じました。
喜びも怒りも悲しみも遊びも、31文字という風船に詰め込んで次々に打ち上げているような感覚でした。
私は文字を読むのも書くのも好きですが、悲しいことに自分の気持ちを表すのはとても下手なのです。
うまく表現してあげられなかった気持ち達を汲み上げて、丁寧に31文字に綴っていく作業はとても愛おしくて癒しをもたらす時間でした。
3日間ほどアプリでの投稿にのめり込んだ後は清々しい気持ちになり、燻っていた感情や自分の中に生まれた美しい何かを文字というカタチに残すことが出来たんだと満足感に浸っていました。カタチにすることで残すことが出来たり、逆に消化できたりもする。
何だかよく分からないけど短歌って気持ちいいやないかい!!
という実感を得た私は、身近な風景や日々の心の動きを短歌にしたため、アプリに投稿する日々を送っています。
そんな中で新たに感じたことは、「日本人で良かった」ということです。
アプリで色んな方の短歌を拝見するとき、日本語が母語じゃなければ理解できないかもしれないという表現がいくつもあります。
その表現を辞書等を引くことなく理解し、詠み人が届けたいであろう風景を「こんな感じかな」と想像することができる。そして日本語の表現の豊富さと美しさに惚れ惚れし、それを使いこなしている詠み人に称賛と羨望の眼差しを贈ることが出来るのは、日本人の特権であるなと思っちゃっています。
私はこれからも短歌を通して色んなカタチを残していきたいし、色んな表現に触れていきたいと考えてnoteをはじめるに至りました。
まだどんな風に自分の歌を投稿していくかは決まっていませんが、はじまることだけは決まったのです。笑
とにかく、また新たな歌に出会えることにワクワクしています。
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こんな文章が自己紹介になるのかは分かりませんが、これを目にして少しでも心が動いてしまった方がいましたら是非フォローして見守って頂けると嬉しいです。
短歌と私、どちらに興味があっても構いませんので!笑
それでは、これからもよろしくお願いします。
愛と誇りを込めて。
あのした