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グローバル企業でのD&I - 外資系サラリーマン目線の日本

こんにちは。ネットで新しいpaidyという決済サービスを知りました。またその新しい会社が、多国籍の優秀な人材の集まった真のダイバーシティ企業であるようです。日本でD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)のロールモデルとして、今後も注目を集めてもらいたいものです。ただ正直、新しい企業の中での取り組みはできても、既存の社会全体をD&Iをベースに変えていくことは簡単ではありませんね。

今回は一例として、私が経験したグローバル企業での取り組みを挙げたいと思います。(以下常体)

今日においてD&Iはグローバル企業のコアのポリシーになっている。平等や公平性という考えから、皆がそうあるべきと思うこと、また現実的には企業価値の維持・向上という点から、重視されている。関連してInternational Women's Dayのように、社内イベントでGender parityについて向き合うことも多い。

会社マネジメントとしては、対外的にも、前向きに取り組んでいることを見せたい為、社長以下の層から、組織の末端まで、できるだけ色々な人材を集めたい。そうなると、必ずしもではないが、先進国以外の出身で、アメリカの大学でMBAを取る人の方が、同じ学歴のアメリカ人よりも上の組織に選ばれ易い、という見方も出てくる。男女であれば、女性を増やしたい、白人だけの組織を作らず非白人を取り込む、というように、どうしても意図的な選別も見られ、社員目線からすると逆に不平等に受け止められることもある。欧米人のボスからも、もっと女性を採用するように上から言われている、という言葉は幾度か聞いたことがある。ある意味、この流れは日本人にとってはチャンスでもある(実力が伴えば)。

勿論、良い点もたくさんあり、やはり意図的に色々なジェンダー、文化、考え、価値観を持つ人を集めた方が、意見も豊富に出てきて、各個人も思慮深くなる。そして結果として、企業にとって最良の決断が下せると思う。思いもしない意見が出て、その時は関係がないだろうと思いながら、また別の機会に思い出して参考になることもある。やはりアウトプットしていくことは大事だと思う。

D&Iの考え自体は当然ずっと前からあるが、企業が積極的にこの言葉で推し進め始めたのは、だいたい5年前くらいからに感じる。男女、またLGBTQ平等の促進とも並行していて、社内のコミュニケーションも、性別や文化、政治の話を避けたりと、不必要な事は言わないよう、より気を遣うようにもなってきている。

今ではLinkedIn等の企業が発信するメディアも増えたので、実際の女性や非白人の社員の写真が使われることもあり、私の知り合いは喜んでもいるが、多用されて複雑な心境にもなっている。特にグローバル企業にいると、株価は最大限に意識しなくてはならない指標であり、その目線である程度の物事が進んでいくことは変わらない。

実務では、D&Iの名のもとに、いろいろな人もあれば、考えもより受け入れていくことになる。一方で、どこまでの意見を尊重して、どこからをある意味是正していくか、線引きが難しくなることもある。グローバル企業での打ち合わせは、様々な意見が飛び交う事は今も昔も変わらないが、特に最近では否定的な応答は避け、尊重し、理解しようとする。それ自体は良い事だか、結局お互いを尊重し過ぎたり、明言を避けることで打ち合わせ時間が伸びたり、結論が決まらずにタイムアップということもある。皆が本当のD&Iの職場はどうあるべきかを、試行錯誤しているようにも見える。

企業からすれば、各組織がD&Iの観点でバランスよく人材を配置できていれば、それでまず対外的には成功である。残りのビジネスの結果は、多様性のコラボレーションが勝手にプラスのものを産みだしてくれる、と割り切って考えても良いと思う。そういう意味では、欧米のグローバル企業はここ数年で更なる競争力をつけてきたとも言える。日本の企業や組織においてはどうだろうか。




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