無色世界

『僕の世界は無色だ』

僕は世に言うアダルトチルドレンだった、それがただ歳を取って大人というカテゴリーの中に入っただけの一般人だ。
今の僕が周りの人と大きく異なるのはただ一つ。
[失情障害]と言う事だけ
※失情障害とは簡単に言うと自分の感情が分からないだけ
それも特に容姿でわかるような物でも仲良くなってわかる物でもない。
何故なら、それを克服(と言う名の対処法と言った所)したからだ。
対処法は至ってシンプル。
人を観察し、読書をし、漫画を読み、アニメを見る、それでその時の状況を俯瞰して普通の人ならこう言う感情になると言う事を覚えればあとはそれ通りなセリフ、仕草をするだけだ。
そんな中で生きて来てるが故に僕の世界はなにも味気のない毎日、変わり映えしない毎日を生きている。
まあこれを生きていると言うかみたいな言葉遊びは無しにして、そんな毎日を生きて思った事は・・・特に何もない。
失情障害は便利な物で一人の時は特に俯瞰する必要がないのでメンタルもとても正常である、羨ましいだろ?
これはそんな毎日を生きてる僕に突如現れた感情の話だ。

あれは親戚のバイトをしてる時の事だった12/24日クリスマスイブなのに僕はバイトをしていてその時に出会った親戚の会社に居る女性に恋をした。
まだその時は恋とは呼べないレベルの軽い気持ちだった。
僕の趣味は写真撮影で主に風景、夜景を撮るのが趣味だった少しでも完結のしない物であればなんでもよかったのだ。
そしてバイトを終え親戚がわざわざ夜景を撮りに行こうと行ってくれて、行く事になったがその時その女性が私も行きたいと言って来た、僕自身は他人が一人で来ても面白くないだろうになと思ったがまあ本人が来たいならそれはそれで良かった。
そして山へ行き星空の写真を撮り始めてた、クリスマスイブの夜だから当然とても寒かったがカメラに夢中な僕は撮影に集中していたが、不意にその女性を見た時その女性は木のベンチに横になりただ星を見ていた、流石に暇させるのも悪いと思い撮った事もないポートレートでも撮ってみるかと思いそれをその女性に提案したら被写体として受けてくれた。
その時の写真は初めてな物でポージングも分からなくてとても駄作だった。
それが気に入らない僕がいて被写体の練習台になってもらおうかなという軽い気持ちで連絡先を交換した、これがその子との始まりであった。
その後日、僕は都内住みで自分の撮りたい写真がないので味変えの感覚でポートレート撮ろうと思いその子に被写体になってくれと言って僕の味変に誘った。
最初は長い池のボートがあるような池でボートで写真を撮らせてもらった。
そこからすこし連絡を一ヶ月、二ヶ月おきくらいに取っては、写真を撮りに誘ったり、イルミネーションを見に行った。
そのうちポートレート以外にもゲームもしたいとなり、ネカフェにゲーム機を持っていきゲームをした事もあった、今思えばこの時から少しは異性として見るようになったのだと思う。
そして連絡を頻繁に撮るようになり僕はいつもの適当なそれっぽい言葉をただ並べた、そこには愛も恋も無くただ被写体、暇つぶし、というだけの理由で。
そしたら丁度一年前の7/24日にその子から『なんだか会いたいね』と連絡を受けたのだ、当時の僕は女性耐性も高くて、シメシメくらいにしか思わなかった。
そして次にポートレートを撮る日を決めて夜の海でのポートレートを撮る事になった。
僕もその子も都内住みだったが、すこし遠い江ノ島という海へ行く事にした。
夏の海の夜なら花火が欲しいな、と思い近くのコンビニを歩き回ったがどこも売り切れだった、まあそれでも波打ち際の女性は絵にはなると思ったので一先ず撮っていたがつい夢中になってしまって気づけば終電を逃していた。
僕はその子の事を女性としては見ていた事もあり無害を装いホテルへ誘った。
そして夏の海辺の近くのマックに行き夜食を買って雑談をしながらホテルへ入っていった。
そして少し手を出したが相手がそういう耐性もあまりなくすぐ疲れてそうだったので途中でやめまた、雑談をして眠りについた。
そんな事もありその子とはすこし親密にはなっていたが当時の僕はそう言う子も何人かいた為、特になにもおもわなかった。
そして月日は少し流れ次の親戚の所のバイトで僕はその会社への入社の話を受けて入る事になった。
もちろんその会社に入ったからその子は上司という形になった、今まで社会人をしてこなかった人間だったし今までやったことのない業種という事もあり、自分は仕事を必死にやっていて他の女性との連絡も取らなくなっていた。
そしてその上司との恋愛という経験はなかったのと、他に連絡をとっていた女性とも疎遠になってたが故に僕はその上司のその子をデートに誘う事になった。もちろんこの時はまだ恋愛感情なんてなかったが下心はあったため終電を逃したフリをしてその子をホテルに誘った。
案の定それに乗って来てホテルに入る事になり、風呂など入り布団でダラダライチャイチャしてたら不意にその子(小柄な子だったので俯瞰してその体制はとてもアンバランスだったろう)が僕を抱きしめる体制になっていてその子はきっと何気なくというか特になにも考えて無かったのか分からないが、僕をぎゅっと後ろから抱きしめた。
そしたら僕は何故か理由はわかなかったが何故か何か心が温かくなっていくのを感じた、今まで女性に後ろから抱きしめられることなんてなかった為その耐性が無かったのかは分からないが僕はの心の何かが動いた。
きっとその時初めてその子に恋をしたのだと思う。
今となってもその理由は分からないが僕の中ではその行動でなにか無色世界な光が見えた。
その為そのホテルでは手は出さなかった、いやきっと自分に困惑して出す暇がなかったのだと思う。
そして僕はその困惑の理由を深く考えてるうちに眠りについていた。
そしてその困惑を考えていたが理由が分からなくてその子に何か特別な物があるのか気になりその子を良く見るように知りたいと思うようになった、よくある話だがそんな事を考えて目で追うようになったらその子の仕事に対しての熱意とかを知りその子を人間としても尊敬出来る部分もみつかっていった。
恋をする理由はいたって簡単なのかもしれないが、僕は心から好きになったのはとても久々だった為に他の女性との連絡はそこから一切取らなくなり、その子と頻繁に遊ぶようになった。
そしてその子に大人としての魅力も上がると同時に肉体的な魅力も高まっていて、ついにちゃんと手を出すことになった。
ただその時その子は仕事に備えて泊まっていたので次の日は朝早くから仕事だったが僕はまだ子供だったからかそんな事は二の次で襲ってしまいその子を怒らせてしまった。
僕は本気で好きになったのが久々だった事もあり、やり方を間違えてしまったのだった。
そこから一週間ほどその子との連絡はなかったが、不意に連絡が来て大事な話があるとからと言って夜ご飯を食べる事になった。
そしてその子を家に送る帰り道にその子から話をきりだしたのだった。
その時のぼくの心情としては、久々の真面目な恋だったのにやらかした手前とても心ここに在らずと言いますか、終わりを覚悟していた。
でもこの時はまあ無色世界に光が見えたくらいなので元に戻るだけとも思ったが、まさかのその仕事前日のホテルの話になり、その子が『君(僕)は自分と、どうなりたい』と聞いて来た。
なぜこんな質問だったかは察する方もいるかもしれないが、僕はとても女性に困る事のない人生で世に言う、遊び人だったからだと思う。
だが僕はその子に本当に恋をしていたので付き合いたいと思っている事を伝えた。
そしたらその子から告白を求められた、僕は遊び人で容姿も中の中途半端くらいではあるのであまり僕から告白した事はなかった為すこし戸惑ってとても中学生、いや小学生みたいな告白をした。
言い訳にはなるが、元々終わる物だと思っていたし、まさかの告白展開になるとは微塵も思っていなかったし、きっとこのドキドキ感、という物を久々に感じてからだ。
きっと今ならもっとマシな告白は出来たと思う。
そんな小学生みたいな告白をその子は受けてくれた。
晴れてその子から彼女になった。
僕はその帰り道のドキドキとワクワクと言う感情を久々に感じ、そしてその子が彼女になった事もありその色んな感情を整理出来ずに驚いていたのかもしれない。
僕の無色世界に色がついたのだから。
それから彼女と旅行やデートを繰り返して生き僕は日に日に彼女を好きになって行ったのだった。
きっと終わりがきてもこの時間、彼女がくれた温かさで残りの人生は生きるに値するのだから。
そんな日々を繰り返してるウチに僕はその会社への不向き感を感じるのだった。
そして僕は1年足らずで辞めることを決意し、彼女にその旨を報告した。
そしたら彼女もその会社を辞めることを考えていたらしい。
僕はラストパート頑張ろうと思ったのだった。
同じクライアントで2つの現場が同時施行になり片方都内、片方出張の現場だった。
その現場は彼女も入ることになりそれもあったのか自分は彼女に無理をさせたくないと思い会えないとは分かっていたが出張現場を進んで引き受けたのだった。
そしたらその現場は張り切った物のわりと緩い現場(当たり)で都内の彼女の方が辛い現場だった。
彼女も就活をしながらということもあったのだとは思うが、僕がその現場が早く終わってダラダラしてるのが気に入らなく思ったのだ、会社の終業時間より早い為その現場終わりから終業時間まで他の先輩の仕事を手伝わない姿勢が気に入らないといい距離を置くことになった。
きっと彼女視点では彼女は朝早く夜遅くの現場もあるし次に控えてる現場の段取りもしなくてはいけないし就活もしなくてはいけないのにボクは仕事終わり呑気にしてるのが気に入らなかったのだと思う。
だが無力な僕が会社のグループでお手伝い出来ることあればします!と連絡を入れてもなにも返信が来ないのだった。彼女に言われて人まずはなにか皆のお手伝いしないと彼女に嫌われる、見限られると思ったからだっからなのか誰からもなにも返信は無かった。
それから連絡を取らずに1月が経つがきっとこのまま彼女とは終わってしまうのだろう。
とても悲しいくて涙を浮かべる時もあるが、俯瞰して見ればその悲しさも一興なのかもしれないし、ただ彼女に会う前の無色世界に帰るだけだ。
さようなら本気で愛した君よ。

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