【私のお気に入りの本】「モノ」視点で見た世界史
高校の世界史の勉強。
教科書を捲ると、人類の発生から、古代オリエント、ギリシャ、ローマ世界・・・と私たちの歴史が続いて行きます。
そんな流れるような歴史の移り変わりの中で、その時々の「モノ」が登場します。
たとえばインカ帝国で「ジャガイモ」が育てられ、ヴェネチアでは「胡椒」が貴重品として貿易商の間で取引され、19世紀から20世紀の人々は自国の貨幣価値を「金」で裏付けるようになりました。
まず舞台となる時代が前提にあり、その舞台に「モノ」という役者が登場してくる。時代の移り変わりは素晴らしくダイナミックだけれども、どこか無機質で少し物足りない。僕にとって高校世界史はそんな学問でした。
この「図説 世界史を変えた50の○○」シリーズは、「モノ」にフォーカスして世界史を垣間見る本。
その「モノ」が世界史の中でどんな役割を担ってきたのか、世界史にどんなふうに影響を与えたのか。「モノ」という役者の方から時代を想像し、学び、感じることができる。そんな本になっています。
その毒性や可食部の少なさから食用に向かなかった野生のジャガイモ。そんな問題児を何世代にも渡って栽培品種改良したのは15世紀あたりのインカ帝国です。当時はスペインのコンキスタドールをはじめ欧州では見向きもされていませんでした。しかし、19世紀にはジャガイモ病が欧州を中心に大飢饉を招くようになります。数百年の間に世界中の人々がジャガイモに依存するほどの花形選手になるなんて、とてもロマンを感じます。
意外と知られていない事実も、「モノ」から世界史を垣間見ることで見えてくる部分があるのだと思います。
違った視点で学ぶと面白い。この本は、そう考える良いきっかけを与えてくれました。
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