「霜踏む街は新しくなる」
拝啓、すずめ園さま
すずめちゃん、あけましておめでとうございます!
お正月はゆっくり過ごせたでしょうか。お餅食べたかな‥すずめちゃんはお餅が似合う‥🥢
わたしは正月、久しぶりに実家へ帰りました
実家はとてもとても寒く、寒さを耐え凌ぐため‥とか理由をつけて食べてばかりいます わたしは顔がお餅になりそうです‥
母がまさかのひだりききクラブの存在と、すずめちゃんのことを知っていたのですが「すずめ“えん”ちゃん」と言っていたので、「“その”だよ!!!!!」と訂正してました 笑 可愛いお正月でした🎍
すずめちゃんの前回の自由律俳句、伸び伸びした印象を受けました‥年末は忙しないけれど、終わりかけは寒空に屈伸するような心地よさがありますね
・ポケット転げ落ちた音楽のつぶ
音楽についての作品はそもそも好きなのですが、とっても素晴らしいです‥
音楽はスマホの中から鳴っていて、イヤホンとかで耳に流れるけれど、いい音楽を聴いたときの余韻とか、ほんとうに“ポケットに転げ落ちる”みたいな感覚があります 音楽の粒ってファンタジーだけど、もしかしたら一粒や二粒、こぼれ落ちているのかもしれない 余韻がポッケにこっそり詰まっているとしたらとても幸せだな、と思いました
・カーテンぶん投げやけっぱちの朝
表題にもなっている句ですが、名句ですね‥
すこし荒っぽい言葉遣いだけれど、それが朝のやるしかない、みたいな切羽詰まった空気感と相まって、しかもそれをすずめちゃんが詠んでいること、とても素敵だなと思いました
わたしは朝が苦手です。割と寝つきが悪いタイプなので、朝起きるのがつらいから。でも嫌でも布団から這い出した朝、カーテンをがらりと大雑把に開けたら朝日が舞い込むのは確かに暴力的ですね でも、「ふわあ、ねむ」ではじまるすずめちゃんの朝、側から見るととっても可愛いです とにかく、エッセイの素晴らしいことよ‥
“ぶん投げやけっぱちの”の流れもストレートパンチみたいで最高だと思いました‥美‥
新年一発目の自由律俳句は実家のこたつからお届けします🐈
帰郷〜地元の中で感じたことを、ぎゅぎゅっと詰め込みました
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・冬のあじ白湯味
・浮かれててビバップ・スキップ
↪︎ 冬の浮かれた日はオザケンばっかり聴いてしまうし、ちょっぴりスキップなんかもしちゃう
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・駄菓子の匂いするから子供だ
・大人は晴海埠頭で死ぬかな
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・あの日待ち合わせた自販機もうない
・あの自販機のスプライトをよく買ったのに
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・harfwey 過去だった今も
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・多過ぎる愛に陥没している
・流るる水のように飯が
・さいごの刺身あげよう
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・「魚拓だよ」凍った窓に額ひっつけ
・夢どんと焼きした日も空は青
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・吸って吐いて白い
・こたつで寝るから訛って叱って
↪︎ 実家だとほぼ100%こたつで眠ってしまい、ほぼ100%「あんだまだこたつで眠って!風邪ひくがら!布団で寝らい!(あなたまたこたつで寝て!風邪ひくから!布団で寝なさい!)」とお叱りをうけます てへへ
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・霜踏む街は新しくなる
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2021年12月31日。東京。霜をわざと踏んで歩く。しゃく、しゃく、と芝の逆立った毛を潰す、地面はとても冷たいらしい。わたしの吐く息は凍っていないから、肉体は暖かいものなのだな、と思う。
実家に帰るためスーツケースを転がして、久しぶりにこの街を離れた。中身は、あったかいニットと、替えの服、幾つかの本、格好つけてノートパソコン、くらいだから割と軽い。上京する時もこのスーツケースを転がしていたな、とぼんやり思い出しながら駅までの坂を登る。三年前の、あの晴れた日と反対側に道を歩く。
実家に帰るのは一年振りで、それはちょっとだけ怖かった。東京は竜宮城だ。日々は絢爛で過激で、毎日どこかの街は変わって、新しいビルもできる。楽しい街だけれど、地元と同じ時間が流れているとは信じ難い毎日だった。一年分大人びたわたしはビールが飲めるようになった。実家に帰る現実を考えると心拍が少しだけ速くなる。わたしが東京で一年を過ごす中、本当は十年くらい経っていて、お母さんお父さん、小さくなってたらどうしよう。そんな空想が捗った。
いざ帰省したら何も変わっていないばかりか、幼稚園の時から変わらないメニュー「エビフライ」が変わらず青い皿にこんもり盛られていて、いつもの刺盛りがテーブルにあった。恒例行事のように、祖母と父母がちょっと言い合いをしている。テレビには緩いお笑い番組が流れている。わたしがお酒を飲めるようになったくらいで、結局何も変わっていなかった。なんだかホッとしてしまった。
この変わらない街にも日々は過ぎ去り、毎晩あたらしい霜が降りる。踏んでくれと言わんばかりの立派な霜がそこらじゅうに降る。朝、それを誰か、家を飛び出した誰かの一歩目が踏み、そうして一日はまた始まって、この街もきっと、すこしだけ新しくなってゆくのだ。
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地元はほとんど何も変わっていなかったけれど、よく目を凝らせば、実家のトイレのウォシュレットは壊れていたし、よく待ち合わせした自販機からスプライトが消えていたし(万年の四番バッターだと思っていた)、わたしが感じていた景色は過去になっていました。きっとこれからもどんどん、わたしの中での地元は過去になってゆくのだと思ったらすこしだけ寂しくて、でも変わらない部分もあって、何度か不思議な気持ちになりました。家族にもたくさんもてなされて、住んでいた家が本当に実家になってしまった。そんな気持ちです。
もうすぐ東京へ帰るけれど、名残惜しくて、でもこれがわたしの道だからそれで良くて。ニコニコしながら、こっそり歯を食いしばっているところです。(でもすずめちゃんに会いたいので帰ります🎶)
今年もよろしくおねがいします。ひだりききクラブ、頑張りたいです がんばっちゃお〜!🌅
それではまたね〜 すずめちゃん𓅮
にっきより
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次の更新は1月12日 すずめ園ちゃんの番です🍵
『ひだりききクラブ』プロフィール
出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。毎週水曜日にnoteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している
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