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ショートショート・エッセイ「あのこの脳内は」

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日記と自由律俳句以外の創作をきまぐれにのせていきます
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#ショートショート

ショート・ショート 「クリスマス症候群」

ショート・ショート 「クリスマス症候群」

ショート・ショート 「クリスマス症候群」

年末なんて言うのなら、映画や本みたいに、世界も終わってしまえばいい。クリスマス症候群、浮かれて化粧の濃くなるように街は煌びやかさを増し、壁一枚で遮られているだけなのに遠く遠くの物語みたいで、マジックミラー越しに眺めているような気持ちになる。

クリスマスらしい音楽を選びスピーカーから流しても、私の選ぶ音楽はなんだか暗い、浮かれ模様のヒットソングを選ぼうと

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ショート・ショート「桜」

ショート・ショート「桜」



ずっと眠っています。眠ったふりをしています。あっ。ひかった、パチっと何かが光りました。瞼の内側が眩しい。暗いけど、なんだか外は眩しい、というやつなのかもしれない。

多分今は夜です。わたしはずっと眠っています。眠っているけどわかります。朝になると瞼が少しずつピンクになって、白くなって、白い時間がずーと続いたあとに、だんだんオレンジ色というやつになって、紫が来て、また、暗くなります。眠っていま

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「ここちゃん」#4(終)

「ここちゃん」#4(終)

#4 「ここちゃんもういない」

僕の部屋にパンジーみたいな青色のソファが来た日、ここちゃんは不思議な形の目をキョロキョロさせながら、異物を飲み込んでしまった時みたいなバツの悪い顔をしていた。荷解きを済ませてテーブル前に置いた青いソファはやっぱり少し派手だけれど、ここちゃんが並ぶとその色調は丁度良く思えた。でも何故か、ここちゃんの表情はすこしも変わらなかった。

「ここちゃん専用のソファが出来たよ」

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「ここちゃん」#3

「ここちゃん」#3

#3 「ソファを買って、ここをわたしの住処にするから」

ここちゃんは高いところと床が異様に好きだ。初めて家についてきた日、クッションの幾つか敷かれたテーブルへ案内しようとすると、キッチンとリビングのちょうど真ん中らへんで、ぺたんと座り込んでしまった。まるで陣地を確保した獣のように。それからは、そこが定位置になっている。ここちゃんが居ない時も、ここちゃんがいつも座るところだけほの暖かいような気がして

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「ここちゃん」#2

「ここちゃん」#2

#2 「おいしくないから置いとくね」

ここちゃんは本当によくわからないし、気難しい。僕の家の本棚を片っ端から引っ張り出しては、ちぐはぐに場所を変えたりする。いつも使っているマグカップのひとつが急に消えて、どこを探しても見つからず、次の朝ベランダに出たら植木鉢になっていた事もあった。そこには小さな青いパンジーが植えられていた。こんなの、ここちゃんしかやらないよ。それと、「あったかいぎゅうにゅう」が好

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「ここちゃん」#1

「ここちゃん」#1

#1 「ここちゃん」

ここちゃんはよくわからないし、気難しい。

名前をこころと名乗る彼女は、近所の行きつけの喫茶にいつも居て、気がつくと僕の傍らに居た。

「血液型は」
「しらない」
「何座ですか」
「蟹座か乙女座」
「蟹座と乙女座はとっても離れているけど」
「そうだね」
「じゃあ好きな食べ物は」
「あったかいぎゅうにゅう」

ここちゃんとのはじめての会話はこれだけだった。窓際の席でプリンをほじ

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