灰街令「気体固定細菌による魂成の場合」
◆作品紹介
雪原の地平に交わる柱群地帯は一画から離れて潜む翅虫たちにとって肢体を休めるために留まる白の絶璧に鋭く塗りたくられた無数の軌跡として発現する。
それは時間をかけて雪を溶かす霧雨というにはあまりに奥行きを欠いてむしろよりこちら側で呼吸しているように実際の機能としては時間に関係する系列を無化し縦に積み上げる塊として単位としての雪の密度とその座標を前景側へと移行する。
つまり遠く離れているにもかかわらず翅虫たちにとって柱は遠網として領域を支える不純物というより