住んで暮らす東京の街についてのエッセイ集『あの街』第2号 はじめに・目次
住んで暮らす東京の街についての8編のエッセイを集めたnoteマガジン『あの街』第2号を本日リリースしました。
本記事には「はじめに」と、寄稿された記事の目次を掲載しております。
はじめに
先日、帰省とは別で親族と地方の民宿に遊びに行きました。
「よく来たね〜、東京と比べたら寒いでしょ」
到着してすぐ、薪ストーブを囲んでコーヒーをいただきました。
その間、話題はずっとあの感染症についてでした。時期柄仕方ないことです。
「○○市でかかった人は引っ越した後、それでも誹謗中傷がひどくて自殺したんだってねえ」
「ひどいねえ」
「東京は大変でしょう。身近で感染した人はいないの?」
ずっと黙って聞いていた”東京の”わたしへ視線が集まります。
「いやいや、いませんよ」と笑って答えました。
嘘です。
「感染した会社の同僚は、入院して治療がかなり大変で、2週間仕事を休みきりで。若い人なんですけど」なんてその場では言えませんでした。
「そうなの。東京の空気はコロナでいっぱいだってイメージだからね。かからないように気をつけてね」
はい、気をつけます。
それから地元で取れたキノコいっぱいの鍋をいただいて、一泊して、新幹線でコロナでいっぱいの東京に帰りました。
仕方のないことだと思いました。
でもあの民宿からこの自宅までは地続きなのに、どこからルールが変わるんでしょう。
コロナでいっぱいの東京の空気は、どこから浄化されていくんでしょう。
わかりません。
「この冬、わたしたちはたとえ実家に帰っても、東京の人でいることをやめられそうにない」そう感じました。
だとしても、”東京の人”とひとくくりにすること/されることに、ほんの少し抗っていたいものです。
少しだけ解像度を上げましょう。
東京には、それぞれ個性の異なる街があり、それぞれの暮らしがあります。
でも住んだ街のほんとうのことは、住んだ人しか知らないのです。
『あの街』第2号にも8編のエッセイが寄せられました。
第1号よりも知名度の高い駅が多い傾向にありますが、まずは読んでみてください。きっと書かれているのはあなたの知らない「あの街」です。
ニュースやガイドブックのように俯瞰して見るのではなく、ひとりの目線から街を見上げているからです。
暮らした街についてのエッセイの面白さはその目線の違いにあると気づくことができました。あらためて寄稿者の皆様、ありがとうございます。
それぞれの記事を読んでみたら、きっと「私も書きたい!」となると思います。ぜひご連絡ください。感想もお待ちしております。
今後も継続して、東京中の街の話をもりもり集めます。noteのフォローもよろしくお願いします。
企画:ませり(@zweisleeping)
目次
各作品タイトルの駅の所在地の自治体を基準とし、「全国地方公共団体コード」の順で並べています。同じ自治体に該当する記事が複数ある場合は、駅名の五十音順に配置しました。
新宿区
新宿駅 ぬくぬくと都会を生きる | かしぱん
文京区
本郷三丁目駅 カルボナーラうどんの思い出 | プリン
世田谷区
明大前駅 病名は"寂寥性不眠症候群" | にわたかし
中野区
新井薬師前駅 中野区にはすべてがある | あたみ りょう
豊島区
池袋駅 人間ドラマは終電を逃したあとに | ふらにー
板橋区
西台駅 さよなら、あたたかな人たち | 紡 もえ
調布市
調布駅 酒とメシを教えてくれた「丁度いい」街 | 小倉愴
町田市
町田駅 逃げるよう出た京都、流れ着いた東京都 | Nekondara
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