【詩作】海を思う
トマトの裏側に夢を描いて
ヨーロッパの家具の上に置いた
昔の映画のような日々を
送りたかったと思う
銀色の自転車で川沿いを走りながら
時々海を思う
今日も頭痛がしてる
同じ猫を見つけた気がして
尻尾についていった午後
呼び鈴のような鳴き声と
空色の空が竜巻に消える瞬間
ステンドグラスのカケラと
真昼に見える惑星の液体を
冷えた指で混ぜ合わせたら
海が見える、と思った
誰にもわからない言葉を
葉桜に乗せて、家路へ流す
予定が消えたから少しだけ
川沿いに座り込む
この先のことを考える
最後に君に会いに行ったのは
いつだったかな
最後に君に会いに行かなかったのは
いつだったかな
名前をそっと舌先でつぶしたら
海まで続く川の途中で
静かに眠りたいと思った
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