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【詩作】オレンジの憂鬱


開いた目に
汚れた夢の塊が
こびりついてた
水で洗っても
しつこくって
私の朝はいつもこうよ
腹の足しにもならない
ココアの甘み
パンを焼いて
薄く笑う風に
ムカつく君の顔を思い出す

傘を忘れた空に
オレンジの憂鬱
とめどなく日々を流した
道路を踏みしめて
萎れた花の前で立ち止まる

黙らない予感に嫌気がさして
髪をかきむしる
さよならばかりの映画も嫌い
上っ面ばかりの挨拶も嫌い
少し催した電車の中は
すべての人間が憎たらしい

傘を忘れた空は
エメラルドの匂い
くたびれた背表紙だけ
かばんに入れて
どこまで行けるか試してみたい

ああ、洗面所で生活が
完結すればいいのにな
とも思う

不自然な感覚が
魔物のように 赤子のように
行く道に降ってくる
私は、君は
いつまでも
あの日のまま、
だろうか



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