このキャラデザがすごい! 2020下半期
2020年下半期に注目されたキャラクターのデザインを筆者の独断で紹介します。流行作品の背景にも触れているので、2020年のおさらいとして読んで頂けると嬉しいです。前回記事はこちら。
※イラストはTwitter、データはpixivから引用してます(執筆時の数値)。
※当記事に作品本編のネタバレは含みません。
マキマ
初出:2018年12月3日
タイトル:チェンソーマン(漫画)
デザイン:藤本タツキ
pixiv投稿数:2,620件…「マキマ チェンソーマン」
キャラクター解説
去年に続きジャンプ作品が非常に強い年でした。中でも『チェンソーマン』は怒濤の展開の連続で読者の期待を色々な意味で裏切る傑作となりました。筆者も単行本を何度も読み返したくらいストーリー展開はもちろん、キャラクターの造形も優れていると感じました。本作は宝島社の『この漫画がすごい!』で1位も獲得しています。
正直、どのキャラクターも魅力的なのですが、マキマは第二の主人公といって良いほど存在感が強く、シンプルなデザインながら多くの二次創作が生まれました。能力使用時の手のアクションは多くの読者が凄まじい衝撃を受けたことでしょう。まさに唯一無二のダークヒーローといえます。
次点で人気だったのは主人公デンジのパートナー的存在のパワーでしょう。台詞のいいまわしや狡猾さが妙に可愛く多くのファンを生みました。デンジとの絡みは「ドンキのカップルっぽい」という、ステレオタイプ的なギャルやヤンキーとは別軸の"萌え"を作りました。手入れをしていない髪や適当に着ている服装、常にめんどくさそう…など、キャラクターの性格が造形に見事に反映されており、装飾(角)は最小限でも十二分に絵として成立するんだなと感じました。
五条悟
初出:2018年3月5日
タイトル:呪術廻戦(漫画)
デザイン:芥見下々
pixiv投稿数:8,810件…「五条悟」
キャラクター解説
2020年秋アニメからオンエアした『呪術廻戦』では五条悟の人気が爆発しました。「190cmの長身」「先生」「目隠し」「白髪」…そしてめちゃくちゃ強い!という属性盛り盛りですが、シナリオが設定に負けずに仕立てられており多くのファンを虜にしました。
煉獄杏寿郎
初出:2017年1月16日
タイトル:鬼滅の刃(漫画)
デザイン:吾峠呼世晴
pixiv投稿数:18,831件…「煉獄杏寿郎」
キャラクター解説
去年も鬼滅ブームは凄まじかったですが、今年は映画が空前の大ヒットを飛ばし社会現象にまでなりました。ネットミームとしては「鬼滅コラ」が生まれ、SNSでは元ネタを知らない層へも浸透してます。
劇場版でさらに注目されたキャラクターは煉獄杏寿郎でしょう。主人公ではないのですが、メインビジュアルに近い扱いでプッシュされており、本編でも印象的なシーンを多く残しています。鬼滅のキャラデザはジャンプらしく(?)奇抜なものが多いですが、煉獄杏寿郎もまさしく強いシルエットで描かれています。炎をモチーフにした髪や目は、ともすれば昭和的で古くなりがちデザインなのですが、現代的な絵面に落としこんでいます。難易度が高いと思われるコスプレも、上手く再現している方が多く、作品もキャラクターも本当に愛されていると感じました。
ぞん子
初出:2020年5月1日
タイトル:ぞん子(飲料水『ZONe』マスコットキャラクター)
デザイン:LAM
pixiv投稿数:1,195件…「DIVE_TO_ZONe」
キャラクター解説
飲料系つながりではサントリーのエナジードリンクである『ZONe』が5月に新発売しました。リリース当初からオリジナルのキャラクターデザインで、イラストを中心としたプロモーションをしており、飲料メーカーとしては珍しい試みです。現在はコンビニでも販売されていますが、2019年12月の初ローンチではwebと大学のみで売っておりデジタルネイティブへの訴求を強めています。
ZONeのイメージキャラクターである「ぞん子」はイラストレーターのLAM氏を起用し、パッケージのデザインを反映させたエッジの効いたイラストになっています。ぞん子は他イラストレーターによるオリジナルデザインも存在し、オリジナル缶としてもパッケージに採用されています。
Ninomae Ina'nis
初出:2020年9月13日
タイトル:Ninomae Ina'nis / 一伊那尓栖(VTuber)
デザイン:黒星紅白
pixiv投稿数:847件…「Ninomae_Ina'nis」
キャラクター解説
ここ2年ほどVTuberはファンアートとしてのジャンルを確立し、特に今年はホロライブが大きく躍進しました。2019年には国内での不動の人気を得て、2020年には中国、EN(英国圏)へ進出しました。中国については11月に「卒業」という形になってしまいましたが、ENは今後もタレントを輩出していくでしょう。一昔前は欧米への輸出が難しかったとされる「日本的な美少女キャラ」が英語圏でも人気を博しているのは時代の移ろいを感じます。
いずれのメンバーもメインは英語ですが、日本語も堪能で、日本のファンも多くいるという凄い状況です。また有志による日本語訳動画もリアルタイムでアップされ、ライトユーザーも増やしてます。海外のクリエイターと交流すると「日本アニメをきっかけに日本語を覚えた」という外国の方はとても多いのですが、今後は海外VTuberをきっかけに言語を学ぶという方は増えていくでしょう。
メンバーの中でデザイン的な注目度が高いのは、黒星紅白氏が手がけたNinomae Ina'nisでしょう。黒星紅白氏はFGOアビゲイル以降、「クトゥルフの人」としての認知が強まったが所以か、今回もクトゥルフ神話モチーフのキャラになっています。絶妙な和と洋テイストの融合、そして生物的な羽やタコの足というモチーフ、氏の得意とするパープルグレイなカラーリングなど、さすがはトップクリエイターの仕事を感じます。ファンアートもレベルが高いものが多いです。ちなみにNinomae Ina'nis本人もイラストがめちゃんこ上手い↓
GawrGura
初出:2020年9月13日
タイトル:GawrGura / がうるぐら(VTuber)
デザイン:甘城なつき
pixiv投稿数:5,017件…「GawrGura」
キャラクター解説
同じくホロライブEN一期生で、デビュー間もなくチャンネル登録者数100万人を突破した超人気タレントがGawrGuraです。デビュー当時の第一声が「a?」ということでも有名ですが、ああいった感嘆詞は世界共通の面白さがあって、出し方として秀逸でした。キャラクターコンセプトである「サメ」もギザ歯ブームを上手くデザインに落とし混んでおり、サメそのもののシルエットを大胆に取り入れてます。全身を単なる「青」でまとめるだけではなく、サメの口のようなデザインの「赤」を胴体にあしらっているセンスは天才的です。シンプルながら個性的で描きやすく、キャラ付けにより展開もしやすいという様々な要素が抜群に絡み合った造形といえるでしょう。個人的には今年一番面白かったデザインです。
サクナヒメ
初出:2020年11月12日
タイトル:天穂のサクナヒメ(ゲーム)
デザイン:村山竜大
pixiv投稿数:748件…「サクナヒメ」
キャラクター解説
秋にリリースされた『天穂のサクナヒメ』は米づくりというニッチなジャンルを完成度の高い作品に昇華させました。「あまりにもリアルすぎる農作」「攻略情報は農林水産省のサイトにある」などの話題もあり、行政サイトのPVが急上昇。農林水産省から開発者へインタビューされる自体に発展します。
ヒットの要因としてゲーム性はもちろん、キャラデザなどのアートによる貢献は非常に大きかったようです。デザイン担当の村山竜太氏は界隈では名が知れており、人物、動物などのデザインから、背景、イラスト、イメージボードなど絵に関する全ての能力がべらぼうに高いクリエイターです(これらは"同じ絵"と思われがちですが、技術が全然違うのです)。サクナヒメも村山氏が得意とする和やデフォルメの効いたスタイルでモンスターのデザインまで見事な世界観を作り上げました。昨今は奇抜さやディティール重視のデザインがトレンドになりがちなので、こういった素朴な作風のヒットは個人的には嬉しいですね。もちろん村上氏のアートを美しい3Dに調整したスタッフの仕事も大変素晴らしいです。
シャミィ(鮭美)
初出:2019年9月3日
タイトル:ピギーワン(個人制作)
デザイン:はなぶし
pixiv投稿数:144件…「ピギーワン」
キャラクター解説
シャミィはピギーワンというはなぶし氏個人の創作キャラクターです。はなぶし氏は『HUGっと!プリキュア』16話の絵コンテ/作監を担当した凄腕アニメーター。元々は氏の2019年の冬コミで同人誌として発表され、その後SNSで話題となり、多くのファンアートが生まれます。バンドずっと真夜中でいいのに。の楽曲『お勉強しといてよ』のMVとしてYouTubeで2,200万回以上再生されており、デザインコンセプト、クオリティ共にさらに注目されました。
おしゃれでどこか懐かしい雰囲気、よく動くかわいらしい表情など、本職アニメーターならではの表現が光ります。インナーカラーな髪型やヴェイパーウェイヴなカラーリングなど、近年のブームを踏襲しており、とても現代的なデザイン。展開されている派生キャラや服装など、いずれも完成度が高く、VTuberとしてデビューすべく目下準備中だそうです。
大阪・関西万博ロゴマーク
初出:2020年8月3日
タイトル:大阪・関西万博ロゴマーク
デザイン:シマダタモツ(TEAM INARI)
pixiv投稿数:1,014件…「いのちの輝き」
キャラクター解説
大阪・関西万博ロゴマークで通称「いのちの輝き」です。一般公募ならではの突飛なセンスが出てきたと思いました。個人的には最終審査の他のロゴ含めて完成度という意味ではピンと来てませんでした。ただ作者であるシマダタモツ氏の過去作品を見ると普通に上手かったので、その後の話題性含めて「こういうのもアリなんだなー」という落ち着きを得ました。私自身もロゴデザインの仕事をやるので、これを通した審査員の胆力に驚かされます。
本来、ロゴはロゴなのでキャラクターではないのですが、あまりに生物的な造形で絵描きによって様々ないじられ方をしました。大阪万博といえばアーティスト岡本太郎の『太陽の塔』が有名なので、コラボレーションした作品が多く作られています(ちなみにロゴ作者のシモダ氏と誕生日が一緒らしい)。
以下、作品単位の紹介
羅小黒戦記
初出:2020年11月7日(吹替版)
タイトル:羅小黒戦記 / 罗小黑战记(アニメ映画)
デザイン:MTJJ
pixiv投稿数:2,187件…「羅小黒戦記」
作品解説
2019年に放映した作品が日本語吹き替えになり再上陸しました。中国アニメが日本国内でここまで話題になったのははじめてのように思います。「中国アニメってそんなにすごいの?」と疑問に思う方へ補足すると、そもそも日本国内のアニメの多くは海外アニメーターが描いてます。つまり優秀なクリエイターが大勢います。アニメのエンドロールで中国や韓国のスタッフ名を見かけたことがある機会は多いのではないでしょうか。これまでは「日本の下請け」としてのイメージがあった中国ですが、ゲームはもちろんアニメでも多くのヒットを出してます。『劇場版鬼滅』が300億円を突破したというニュースが盛り上がってますが、中国では2019年に公開したアニメ『哪吒之魔童降世』が公開後1ヶ月で725億円の興行収入を達成してます。
『羅小黒戦記』はとにかく背景やキャラクターがかわいらしく、アニメーションとしてもよく動きます。デザインも日本人に好まれる柔らかいアウトラインで描かれてます。驚くのが主線の太さと影もほとんど描かない点です。シンプルがゆえにコントロールが難しく絶妙なバランスでしあげなければいけません。そういった意味で玄人好みの絵といえるかもしれません。
ツイステッドワンダーランド
初出:2020年3月18日
タイトル:ディズニー ツイステッドワンダーランド(ゲーム)
デザイン:アニプレックス / ディズニー / f4samurai
pixiv投稿数:49,195件…「ツイステッドワンダーランド」
作品解説
今年の二次創作覇権と言って良いでしょう。主に女性ファンの間で大流行し、二次創作が鬼のように作られてます。IP管理の非常に厳しい「ディズニーヴィランのゲーム化」というヤバい企画はアニプレックスでなければ通らなかったと思いますし、ちゃんとヒットを出しているのがとにかくすごい。近年の女性向けIPでは『ヒプノシスマイク』も有名ですが、ヒプマイの「ディビジョン」という概念を「寮」という設定で輸入しているのが上手い。私もディズニー+に加入しているので、ある程度作品を予習していますが、原作を知っている人間がみると「こういう風に解釈しているのか〜」という点が多々あり、最強IP作品をキャラゲー化するハードルを超える開発陣のアウトプット力を感じます。
原神
初出:2020年9月28日
タイトル:原神(ゲーム)
デザイン:miHoYo
pixiv投稿数:28,057件…「原神」
作品解説
中国アプリゲームの勢いが止まりません。miHoYoからリリースした『原神』は中国を除く初月売上が168億円を超えたとみられ、中国パブリッシャーの海外記録を更新しました。原神は中国語の他に日本語、英語、韓国語など計9カ国語版が存在し、PC、スマホ、PS4(5)でプレイできます。言語、プラットフォームともに凄まじいカバー範囲といえます。さらにそれを世界同時にリリースしているから驚きですね。ビジュアルや一部システムは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(2017.3)』から大きく影響を受けており、オープンワールドゲームとしても評価されます。
キャラデザとしては王道なファンタジーという感じですが、これも3Dへの落とし込みが上手くてどのキャラも可愛いです。それにしてもソシャゲ的な要素を入れつつオープンワールドでマルチプラットフォーム展開するのがどれほどの開発コストがかかるか想像もつきませんね。従来のカードの絵に単純に落とし混んで販売する手法はどんどんアップデートされていくといえるでしょう。
Fall Guys
初出:2020年8月4日
タイトル:Fall Guys: Ultimate Knockout(ゲーム)
デザイン:Mediatonic Limited
pixiv投稿数:1,076件…「FallGuys」
作品解説
Fall Guysは最大60人で対戦するオンラインゲームで、複数のミニゲームをクリアして勝利を目指すサバイバルです。「人間の醜さ浅ましさを体験できるゲーム」などの呼び名を生み、ゲーム配信などを通じて爆発的なヒットになりました。
キャラクターはまるっこくて可愛い見た目ですが、中身はプレイヤーなので、人間臭い動きをしたり、嫌らしい妨害を行うなどのギャップが大きいです。公式Twitterもテンションが高く、クリエイティブもかなりレベルが高いのでメディア欄を覗くだけでも面白いです。
まとめ&総評
流行作品が一新
前回に続き、コロナ渦でのヒット作紹介になりました。二次創作キャラクターに関しては相変わらず新陳代謝が非常に激しいと感じます。2018年頃まではFGOの新サーバントがかなりの頻度でTLに登場してましたが、今年は清少納言以降落ち着いていたようです。VTuberも2019年末まではにじさんじが圧倒的に強かったと思いますが、今年の春以降からはホロライブが一気に延びてきました。
2020年はツイステ、原神という新規の化け物タイトルが2つも登場し、ホロライブENも大成功してます。いずれも海外へのIP輸出や、海外IPの輸入が成功してます。ツイステは今の所日本版のみですが、ディズニーというアメリカ発のIPを起用してます。原神は中国アプリとしては繊細な調整が必要な「ファンタジー」というジャンルだからこそ、多国展開をリリース時から行っているのだと思います。中国は内需も強いですが、ハリウッドのようにグローバル展開を前提としたものもさらに増えてくるでしょう。
グローバルニッチの成功
個人的にはホロライブENが海外でヒットしたのがかなり凄いことだと思ってます。これまで日本のコンテンツ(主にスマホゲー)は国内でヒットしても、アジアでぼちぼち、英語圏ではイマイチというパターンがとても多かったからです。米国の市場調査を読んでも「日本の美少女絵はロリすぎて受け入れられない」「日本ゲームのガチャはつまらない」などの評価がありました。しかしホロライブENの初速を見るにちゃんと人は集まっている。ゲームという文脈をとっぱらい、美少女と配信という要素を残したらヒットした。それがどれだけ「海外の一般人」に刺さっているかはわかりませんが、取り込めているユーザーがニッチ層だったとしても短期間に数十万〜100万人以上のファンを獲得している状況は事実です。そこからライトユーザーへ広がり、派生し、一般化していくことでしょう。
ホロライブENや原神に学ぶことがあるとすれば「グローバル展開前提でチューニングされたコンテンツはヒットしたらちょうつよい!」ということでしょうか。分母の大きい市場で戦えるので日本人1億人に売っていくよりも数十億人に向けて商売することができます。
これまでの日本コンテンツの輸出とは、国内でヒットしたものを(最低現の放送コードは調整した上で)大きな変更はせずに翻訳して輸出するというのが主でした。実際『ドラゴンボール』『千と千尋の神隠し』『セーラームーン』などはそのやり方で海外でもヒットしてます。一方でその国独自のコンテキストが強い作品は成功率も低いです。そして多くの日本IPは海外輸出前提で開発してません。
なぜ日本では海外を意識した作品を作らないかというと、単純に日本人は沢山お金を使ってくれるからです。FGOの例でいうと売上自体はAppストアでも上位ですが、課金ユーザーの8割以上が日本人です。原神は中国のゲームですが、海外売上の3割は日本です。特に欧米圏では敬遠される「ガチャ」に対して日本人のハードルはかなり低い。日本は人口も1億人いるので市場として魅力的なのです。(やや余談ですが個人制作の同人誌も日本が圧倒的に売れます。一方で海外でも一部の需要はあるので、海外販路のないイラスト集はイベント頒布価格の数十倍から数百倍で取引されることもあります。)
もちろん任天堂やソニーなど大手ゲーム会社はグローバル展開前提でタイトルを開発してます。しかし中規模以下のディベロッパーになるとそこまでの目線をもっている企業は少ない印象があります。特に「オタク向け」「美少女」とされるジャンルは販路すらなく、日本国内に閉じているケースがまだまだ多いです。
しかし2020年はホロライブENや原神などのヒットタイトルが登場し、日本的な美少女絵柄でも海外で人気が出るということが可視化されました。ピクサーやハリウッドなどの販売規模には敵いませんが、これまでニッチと思われていたジャンルでも100万人単位のファンを短時間で集めることができたのは事実です。これをふまえて2021年は日本的な文脈のタイトルが世界規模で広がっていくと予想します。美少女絵ではないですが、日本の要素を多くとりいれた『Ghost of Tsushima』や『サイバーパンク2077』は世界で大ヒットしてます。
日本文脈は"ガラパゴス"ではない?
個人的に思うのでは日本コンテンツは実は「ガラパゴス」ではないのでは?ということです。ガラパゴスは「日本独自に進化しすぎたゆえに国際的な競争力を失ってしまった」という意味で使われますが、正確には二つの要素を含む言葉だと思ってます。
①環境独自に進化したユニークなもの
②(①がゆえに)そこでしか成長・生存できないもの
①はポジティブな例が多いのですが、②は携帯電話や商慣習など、日本の悪い例がとりあげられがちです。①=②とみられがちな部分ではありますが、②は技術力で解決可能です。特に今年の日本的な作品の連続ヒットをみるとそう思います。単純に料理の仕方が悪かったのだと。ポケモンやマリオよりもさらに日本テイストが強いコンテンツでも、面白ければ世界は受け入れてくれるでしょう。
大変な時代になってしまいましたが、こんな世の中だからこそ、娯楽が大事になってくると思います。今年も日本コンテキストの強い作品がさらに世界中で展開されると嬉しいですね。
宣伝
ピクシブのイラストレーター年鑑『VISIONS2021』の企画、編集を担当しました。海外クリエイターも多数参加。
イラストをとりまく環境について色々語ってます。2018年の作ですが、近10年の絵とインターネットのできごとを中心にインタビューを交えて展開してます。