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【体験談】子どもの『なんでなんで攻撃』はさらっといなす

子どもから立て続けに「なんで?なんで?どうして??」と言われてイラッとしたことはありませんか?

教師としてあるまじき発言かもしれませんが、私はイライラムキーとなってしまいます。

「なんで?」とたくさんの問いをもつことは、好奇心に満ちていてとても素晴らしいことです。「なんで海の水はしょっぱいの?」などと知的な問いかけをしてきたら、イラッとするどころか「いい質問だね!」と前のめりになって一緒に考えてしまいます。

同じ「なんで」でも、イラッとするときと感心するときの違いがあるのはなぜかを考えてみました。

「なんで?」と言われてイラッとするときの理由

①何度も同じ言い回しで言われることに飽き飽きしてしまう
② 自分の頭で考えることを放棄しているようで「自分で調べなさい」と言いたい
③「なんで」と言えば大人にかまってもらえると思っていることは勘違いだと指摘したい

③の“かまってちゃん”については小学校アルアルでして、「先生の注意を引くためにわざと騒がしくする」ことと似ていると思います。

ちなみにそういう言動をする子どもには、いいことをしたときに認める(価値づける)ようにしています。反対の言動をしたときには、「温かい知らんぷり」をします。相手にしないということです。目に余る態度のときには指導します。

なぜそのような対応をするのかというと、いい子でも困った子でもない、どちらでもない過半数のグレーゾーンの子が「こうすれば先生を振り向かせられるのか…」と、教師の対応の仕方を見て判断基準を決めるからです。“かまってちゃん”の言動とそれに対する教師の出方によって、学級や集団の秩序が乱れてしまうことがあります。

モデリングで“かまってちゃん”を伸ばす

教師としてみれば、1人のよい行いをみんなで真似して欲しいので、モデルとなる言動をしている子を価値づけるようにしています。それを見た周りの子どもは、「自分もそれをすれば先生(みんな)に認めてもらえる!」と行動するようになります。これを心理学的に『モデリング(観察学習)』と呼びます。

例えば、椅子に座っているときの姿勢がいい子を見つけて、「背筋がまっすぐに伸びているね!」と価値づけると、周りの子もつられて姿勢が正されることがあります。

逆に悪いところに目を向けて、「姿勢がくずれている!」と何度も叱っていると、集団の雰囲気が悪くなっていきます。

似たような事例として、「あなたはどんどん勉強ができるようになるよ」と期待をかけ続けていくと、実際に成績が伸びることがあります。

教師(親)が期待をかけて、期待に応えようと子どもが伸びていくことを、教育心理学では『ピグマリオン効果(教師期待効果)』と呼んでいます。反対は『ゴーレム効果』です。

「なんでなんで攻撃」の対処法

さて、「なんでなんで攻撃」を受けたときには、私の場合は答えが分かっていても「どうしてだと思う?」と聞き返すか、「なんでだろうね」と流すようにしています。あとは、「なんでとすぐに聞くよりも、自分で考えるともっとかしこくなるよ」などと教えるようにしています。

ちなみに娘から攻撃を受けたときには、私は感情的になって「自分で考えなさい!」とピシャリ突き放してしまうことが多かったです…。過去に突き放しを連発していたせいか、娘は「なんでなんで攻撃」を仕掛けてくることはほとんどなくなりました。

「◯◯だと思うんだけどどうして?」「なんで◯◯なんだろう?」などと自分の考えをつけ足してつぶやくようになりました。

親の顔色をうかがっているのでしょうか。我が子となると優しくなれないのは仕方がないものだと言い聞かせています。

責任の所在と自立

「なんでなんで攻撃」とは種類が異なりますが、子どもは「◯◯していいですか?」とよく聞いてきます。この質問には、責任の所在が関係すると思っています。例えば…

A組の子が「いま遊んでいい?」と聞いてきたことに対して、教師が「いいよ」と許可したとします。すると、B組の子や周りにいる子もつられて遊び始めます。ところが、B組では「遊んではいけない時間」だったとします。当然、B組の遊び始めた子は注意を受けます。納得がいかないB組では、「A組はいいのになんでB組はダメなの?」となります。そこでA組の子は、「先生がいいって言ったからいいんだよ!」教師の権限を振りかざします。それによってトラブルの原因が教師になってしまうのです。

教師同士の連携が取れていないことも問題かもしれませんが、他者に責任転嫁することは問題だと感じています。この場合、「いまは遊んでいい時間なのか?」と子ども自身に考えさせたいものです。

そして、自立を目指すのであれば、自分の言動に責任をもたせて、基本的には自分で決めさせることが大事ではないかと思います。

以上、偉そうに対処法を提案したところで、ついつい「自分で考えなさい」と突き放してしまい、その度に反省する私でした。

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