半端なヴィラン、ソフトバンクホークスの終戦
ホークスの2024年が終わった。
強すぎるだの、圧倒的すぎて面白くないだの言われた戦いも、終わってみればボコボコの完敗だ。色々振り返ると良くなかった部分はあるかもしれないが、僕は野球の戦術に詳しくないのでその辺りはプロの分析家に任せたいと思う。
とにかく終わってしまったものは仕方ない。後戻りは出来ない。是非に及ばずだ。
僕はホークスファンなのでゴリゴリにホークスを応援していたが、客観的に見るとDeNAを応援している人が多かっただろうし、DeNA視点で日本シリーズを見たほうが楽しかったに違いない。3位でギリギリCSの出場権を手に入れて、短期決戦で強敵をなぎ倒し、ついには日本一になったのだから。
ぶっちゃけた話、ホークスは嫌われ者の球団だ。金満、強奪、邪悪軟銀… 色んな言い方で中傷されている(たとえ事実であったとしても)。嫌われ者の球団が、最後の最後で足元を掬われたのだ。色々言われても仕方ないかもしれない。
しかしながら、僕はどうしてもホークスをヴィラン(悪役)として見れない。それはただファンだからというより、ファンだからこそ彼らの生真面目なところをよく見ているからだ。
優等生で、涙もろくて、負けると鬼のように落ち込むホークスナインを見てきたからだ。
その中でも特に今宮は、ホークスを背負う大黒柱として、生真面目にホークスを引っ張ってきた。チャラそうな見た目と裏腹に実直な人なのだろう。近年のホークスは負けて終戦する度に、今宮もショックを背負っている。ただショックを感じているわけではない。彼の背中に「チーム」が乗っかっているのだ。
試合の終了直後、テレビに映っていたのは今宮の姿ではなく、歓喜のDeNAナインだった。当たり前だ。当たり前なんだけど、やっぱり残念だ。今宮が1年間背負ってきたものを、今年もホークスは降ろしてやれなかった。
とにかく、また来年頑張って、日本一になって欲しい。チームがどうとか、監督がどうとかではなく、今宮の背負っている十字架を、胴上げして降ろしてやりたい。そんな気持ちになった。