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②穂村弘×堀本裕樹『短歌と俳句の五十番勝負』に倣って

図書館で借りてきた穂村弘×堀本裕樹『短歌と俳句の五十番勝負』。
これは、色んな人が出した題を穂村弘は短歌、堀本裕樹は俳句で詠み込んで、歌合勝負をしようという本だ。
読むだけではわりとあっさり読み終わってしまいそうで、そういえば長らく題詠もやってなかったなと思ったので、私もこの歌合に参戦することにした。

第2回、スタート!

本棚の組み立て中を放置してカルピス一緒に買いに出かけた
題 カルピス
結婚していた頃カルピスを買ったのはこの一度きり。IKEAの家具の組み立ては結構難しい。


病気という体の謀叛に明け渡すわたくし、そしておかえりわたし
題 謀叛
「やる気がある」は現代では褒め言葉。でも私の場合それは病気を悪化させるから、「やる気を出さない努力」「湧いてしまったやる気を収める努力」を意識している。


クローゼット開けたらニュッと垂れてきた君の化身の蜘蛛たしなめる
題 たしなめる
蜘蛛の糸は私の部屋と好きな人の部屋を繋いでいる。


ゆとりある日にできることファッション誌繰ることレシートを捨てること
題 ゆとり
生活保護申請中。労働は週1回。食事は弁当が配給されるから自炊もしない。図書館でVogueなんて借りちゃって、やっと落ち着いて病気療養ってかんじ。


怪我のあとママの娘がたまに来る黒霧島はウーロン割りで
題 黒
スナックのママの娘さん。お店を継ぐ気もないし、お店にはノータッチだったのだけど、ママが怪我したあとは重たいものを買ってきたり、友達と飲みにきたりする。話が上手くて楽しい人だ。


水際を歩く写真が残されてみんなと(君と)のそれきりの海
題 水際
俳句の仲間と海に行ったことがある。私は行く気はなかったのだけど、その日の朝夫にキレて、そのままみんなと海に行ってしまった。しばらく音信不通だった好きな人も来ていた。


ぴたぴたと行ったり来たりする素足 二百年の知を渡る終夜(よすがら)
題 ぴたぴた
一昨年、3歳年下の女友達が「お母さんがスリッパを履いていた理由がわかるようになった」と言っていて、とても共感した。男の人は何歳からスリッパを欲しがるんだろうね。


積み上げた背骨の先の頭頂に一輪花を咲かせて生きる
題 背骨
毎日「真っ直ぐ立つ練習」をしている。その後に体内で気を練る。気を練る時にはチャクラの位置に花を咲かせる。第一チャクラは向日葵、第二は百合、第三は睡蓮、第四は芍薬、第五は桜、第六は松、第七は蓮。


馬飼は紀元四十八年に没した紀元の語は知らないで
題 四十八
ホムホムも苦戦してたっぽいお題「四十八」。私は大昔の馬飼になってみた。前前前世くらいかな、この時代は。


放射性物質の放射能力が出す放射線湧く大地より題 放射能
放射能の言葉の定義がわからなくて調べたらこういうことだった。「能」は「能力」の「能」とのこと。これはただの自然現象にすぎないし、私は自然現象を面白がる好奇心を尊く思う人間である。


写真撮影:マチコさん

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