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短歌82(好きな男のことも夫のことも諦めたい歌)

「心の花」2024年8月号掲載

建前を積み木のように積み重ね崩すところを見守っている

説明なく連絡手段断たれいて一人を愛せばいい日のシチュー

どちらかといえば怒りでそのあとは胸スッキリと山椒の実噛む

夫でもあなたでもない人といた夜に崩れた芍薬の痕

ゴミとして触れれば花粉もろともに崩れて床を染める芍薬

《洗濯》はタオルを替えることまでを内包すれば布団でなじる

頑なに元気を拒むゴミ回収間に合うけれど間に合わせない

悲しみを諦めること悲しんで海を見に行く夫を置いて

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