高清水展望台

今日の日は黄金の鳶
遠野市外郊の展望台から
かそけし憂悶と荒廃とを
黄金の翼に広げて

雲の切間から展がる展望の
愛撫したくなるような——愛しさ
淡い光の底に起伏する
小山や川やささやかな街並みや

先から小さくうなる虻や
私は半ば退屈しながら眼下を見下ろしていた
考えるともなく考えていた


今からでもこんな詩を
朗らかな、そして汚れのない抒情詩に書き換えたなら
今度こそあなたは受け取ってくれるだろうか?

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