湖北の桜花 2023 願わくは花の下にて春死なむ
今年の桜の花は満開になってから随分長くもってくれました。そんな近在の桜もいよいよ散りだしましたので、この湖北の桜花 2023シリーズも今回で最終回とさせていただきます。
というわけで、今回の桜画像は、僭越ながら私の自宅の庭先に植えられている桜でお目汚し。(^^;)
この桜は私が物心ついたころにはすで自宅にありましたので、ばあちゃんに聞いてみたら「私が嫁に来た時にはすでにここに植わってた。」とのことですので、これはよくわからんけどかなりの古木です。
さて。桜と言えば、有名な西行のこの古歌。
「願わくは花の下にて春死なむ その如月の望月のころ」
を思い浮かべる人も多いですね。私もこの歌は大好きです。(^^)
ただ、果たして平安時代末期の如月(旧暦2月)の望月(15日)のころに桜が咲いていたのか?という議論は以前からあるようです。
旧暦カレンダーで調べてみましたが、如月の望月は新暦だと3月初旬から4月のかかりになります。ソメイヨシノだとこの頃には咲きだしていてもおかしくありませんが、ソメイヨシノは江戸時代末期に作られた品種ですので、西行の生きていた平安時代末期にはまだ存在せず、桜と言えばヤマザクラが主流だったはず。ただし、ヤマザクラの開花はもっと遅いので、時期が合わなくなります。
となると、この歌に出てくる「花」は何をさすのでしょうか?もう少し調べてみましたら、平安時代初期までは花と言えば主に梅の花を指していたのですが、この頃に梅と桜の人気が逆転。平安時代後期からは徐々に桜の花をさすようになったそうです。
ということは、ひょっとするとこの歌に出てくる「花」は、桜ではなくて梅の花である可能性も捨てきれないわけで、梅の花なら時期的にも違和感がありません。
ああ、謎は深まるばかり。(^^;)
ちなみに今度の満月は4月6日。今年の桜は開花が早かったので間に合いそうにありませんが、例年なら満開の桜と満月のコラボでピンクムーン。ホント惜しいっ!^^;
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