還暦不行届 第四回 津和野
1月に安野光雅先生の訃報を知った。
読者の中にもその作品に触れて育った人は多いと思う。
私もその1人で
幼稚園の頃に出会った「ふしぎなさーかす」は
毎日見ていても飽きず1日に何回もページをめくり
一つの絵からいろんなことを想像した。
どのページをとってもいくらでも想像が膨らんで止まらない。
本当にふしぎで、ページの中に描かれていない動物や
人々が隣のページの裏に隠れているような感じがするのだ。
なんとかしてそれを捕まえてみたいと
園児の私はすごい速さでページをめくって見たりしていた。
これは知っている人も多いと思うが
ペンネームの「安野」はこの方から拝借した。
15歳で漫画を初投稿した時のことだ。
下の名前は何回か変えたけど
最初から苗字はこれにしようと決めていた。
大好きな安野光雅さんのようになりたいと言う
今思うととんでもねー動機の他に
「アンノ」という音に惹かれた部分もあった。
なんとも可愛くてころんとしている感じがしたのだ。
時々見かける誤情報で
私は庵野監督のファンだったからペンネームをアンノにしたと言うのがあるんだけど
正直言ってペンネームを決めた高校生の頃の私は監督のことを知らなかった。
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安野モヨコ&庵野秀明夫婦のディープな日常を綴ったエッセイ漫画「監督不行届」の文章版である『還暦不行届』の、現在連載中のマンガ「後ハッピーマ…
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