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【140字小説】
白でも透明でもない雲が一面に広がっている。まるでそれが『空』だと言うように薄い灰色で染まる。同じような眼の色で、私は見上げていた。少しだけ冷たい風が私の頬を撫で、涙が冷えた。天気は雨か晴れがいい。どっちでもいい。けれど、まるでないもののように覆われる曇りが苦手だ。私を隠さないで。

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