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1030_シャトルエレベータ

【140字小説】
シャトルエレベーターの中で下りながら、私は静かに不思議を思う。私の体は下へと降りていくのに、取り残された何かは上に上がっていく。ほんの少し内臓がひゅっとして、生きていると実感したまま心と体が、もしくは体と体が、上へ下へとちぐはぐになる。混乱しかける頃、1階に着く。

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