![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58869856/rectangle_large_type_2_747c9c51616133cf1c344970034fe8cd.jpg?width=1200)
8月14日 水泳の日
プールを習いたいと言ったのはいつのことだっただろう。もう何年も前のような気もするし、つい先日のような気もする。
気のせいではない。実際にそうなのだ。
去年にも言われ、様子を見続けて今に至る。昨日も言われたし、今日も言われている。
「ママ、プールに通いたい」
気づけば小学1年生になってしまった。マスクが手放せなくなってもうかれこれ1年半を過ぎる。もう少し落ち着いてからと思っているとどんどん時間は過ぎていく。
子供のこの時間はとても尊いと言うのに。
ビニールプールを出してやり、ひとまずこちらでお願いしますと言うと、わーいと大喜びで入ってくれるのでちょっと安心した。
「なんでプールがやりたいの」
「水が好きだから」
なんと河童のような立派な回答だろう。けれど確かに言われてみれば、彼はお風呂なんかも喜んで入っている。お風呂でもパチャパチャとそれは楽しそうにするのだった。
水泳、習わせてあげたいなと改めて思う。何か習い事をと思い続け、やるなら水泳だと決めてはいるのだ。何故なら命を守るスポーツだから。自分を守れる術を学べるスポーツはきっと彼の財産になる。
「ほら、見て。僕、クロールできるんだよ」
「おお、ほんとだ!すごいじゃーん」
一人息子なのに、大きめのビニールプールを買っていて良かった。なんとか彼が手足を伸ばして泳げている。
「泳ぐのも好きなんだね」
「好きっていうか......」
水飛沫が跳ね、私の足や顔にも飛んできた。午前中の爽やかな暑さがその飛沫と混ざって、キラキラと輝いて見える。
「僕が泳げるようになれば、ママを助けてあげられるでしょ」
しれっと、なんのことでもないと言うように彼は言い、また水の中に顔をつけてはバタ足をする。
我が息子ながらなんと格好良いのか。頼りになる息子に育ったものだ。
私もプールに足を入れた。ひんやりと足を覆う水が心地良い。足しか入れていないのに身体中がスっと涼やかである。
「ママも習おうかな」
「いいじゃん、やろうよ」
私も、あなたを助けられるように。
早く通えるようになるといいねと言いながら、ビニールプールも案外悪くないじゃないかと思っている。でもいくら大きめのこのプールでも、やっぱり25mの長さには到底かなわず、すぐに手がつく。遠く遠くに手を伸ばせるように、その未来に手を伸ばせるように、彼には水泳を習わせてあげたいものだと改めて思う。
ついでに私も習おうかな。
なんせカナヅチである。
命を守るのもそうだけれど、年齢を選ばない水泳はきっと始めるのに遅いも早いもないはずだ。
涼やかなこの水飛沫でウイルスやなんかも跳ね飛ばしてしまえばいいのに。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【今日の記念日】
8月14日 水泳の日
公益財団法人日本水泳連盟が制定。記念日をきっかけに水泳競技人口の裾野を広げて競技力の向上を目指すとともに、「命を守ることができるスポーツ」としての水泳を普及、発展させ、国民全員が泳げるようになることで水難事故を減らすのが目標。1953年に制定した「国民皆泳の日」(8月14日)を引き継ぎ、2014年に「水泳の日」に改称したもの。
記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。