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0922_扉

【140字小説】
扉を開けると何か重たいものをまとった風が私を包囲した。私はそこから逃げられない。苦しみながらも一歩ずつ前に向かう。はらりと右から何かが剥がれ落ち、もう一歩踏み出すと左の何かが落ちていく。そうして懸命に一歩ずつ前に進むことで、私は少しずつ身軽になれる。外に出てその一歩を踏み出した。

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