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1024_私の成分

【140字小説】
曇天が私を見下ろしていて、見上げた私が呼べば、雨が降り落ちてきそうだ。息を吸う。乾いた少し冷たい風と足元をさらう湿っぽい空気、今、私の横を通り過ぎた女性の香水が私に触れている。こうして、上からも下からも私は何かと触れていて、それら全て構成して私は出来上がる。私は1人では成らない。

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