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1209_海の中で

【140字小説】
混雑したホームで、私は人と人をすり抜けて乗り場へ向かっている。うねるように人が流れるそこはまるで海のようで私は息ができない。かわるがわるの人がこちらに向かっては返し、私の前には常に人がある。お願いよ、どいて。波が飛沫をあげて私の頬を濡らした。私は泣いていた。あの人が行ってしまう。

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