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0927_ぬるい愛

【140字小説】
夜霧が私を包み込み、大粒の雨が一層体を冷やした。自分を抱き締めるように両手をクロスしてぎゅっと力を込めた。そういえば、あの人も同じような力で私を抱き締めてくれたのだった。あの人も、同じような体温で私を暖めてくれたのだった。両手が触れるその肌は暖かく、じわりとぬるい、愛を思い出す。

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