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1129_ぼんやりと

【140字小説】
私は時々、基幹駅のベンチに座ってただただ人の流れを見ている。そういう時は大抵、とかく気持ちを落ち着かせたい気分だったりする。少し寒い日差しのある日、電車に乗る人と降りる人が交差する。出かける人と帰ってきた人も交差する。彼らは皆、私ではない。私は私を確認してゆっくり立ち上がるのだ。

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